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1005_本を喰む

【140字小説】
図書館で哲学書を借りてきた。ページをめくると妙にいい匂いがする。うっかり口を開いてしまう。するとページがハラリと外れてゆらゆらと空を舞う。やがて私の口の中に入り、口中を甘くしたならばそのまま溶けていく。果たしてこんな不思議なことがあっていいのかと私はかくも考える。

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