“失敗をして、進むっていうのが人生なんですよね。苦しみは知った分、強くなりますね”
04. 友沢こたお / 画家
息を呑むほど胸がざわつくのにずっと観てしまう。そんな迫力も静寂も内包する絵を描く画家のこたおちゃん。
アイドルのように明るくてかわいい彼女が、グロテスクなようであり、神秘的でもあるスライムと有機体をモチーフにした絵を描くその創造根源についてお話を伺いました。
■友沢こたお / 画家
1999年フランス生まれ。東京芸術大学美術学部油画専攻、2021年度卒業。
スライム状態の物質と有機的なモチーフを組み合わせた巨大な人物画を多く描く。
グロテスクさと優しさをともに内包した彼女の絵は、一度観ると忘れられないほどの強いインパクトを残す。2019年に漫画家である実母、友沢ミミヨとのアートユニット「とろろ園」を結成。個人・グループ展を含め、多拠点で展示活動を行っている。
Instagram : @tkotao
Twitter : @KKKOTAO1
_自分自身をいい状態に保つためにしていることや、習慣はありますか?
人と話すことかな。すごく元気になってくるんですよね。
_発想やクリエイティビティの源泉は?
それも人ですね。自分も人間だし、やっぱりこの身体を持ってるから「人とはなんだ」って考えることが全ての原点かもしれませんね。
あと、何かしらの不条理に対して抗う気持ちがあると、「なんで生きてるんだ」「なんなんだこの世界は」って考えられるから、その悶々とする時間を私は結構大事にしてますね。ラップみたいなものですね、絵っていうのは。怒りや疑問みたいなものがないと、できないような気がするんです。
_憧れや尊敬している人、あるいはロールモデルにしている人はいますか?
母親ですね(照)
母(友沢ミミヨ、イラストレーター)はかっこいいです、本当に。私が生まれる前は子供に見せられないようなすっごいドロドロしたサイコーに狂った漫画を描いていて、小さいときは読ませてもらえなかったんですけど、大きくなってから読ませてもらったら、なんだか自分のルーツがそこにある感じがしました。
_ご自身の好きなところは?
え〜…頑張り屋さんなところ(笑)なんだかんだすごい頑張り屋さんなんですよね(笑)
「こうなりたいわ!(キラキラ)」っていうよりは、「これは絶対許さない」っていうラインの意識が強いですね。特に何か作ってるときは。
あと、展示の時100号キャンバスを手で持って電車で運んだりします。そういうところも好きです。
_絵を始めたきっかけは?
描きたいっていう気持ちは、赤ちゃんのころから常に切り離せない想いだったんですよね。母がずっと家で描いてたから、私も「そういうもんなんだ」って、長期的に培われた意識としてあったんだと思います。
_仕事をやり続ける原動力は?
描いてるときって安心するんですよ。描いてないと不安になるっていうのもあるんですけど…描きたいっていう衝動が急に出てきます、いつも。イメージが降ってくるんで、それを形にしたいなっていう。
私ね、すごく繊細っていうか、生きてるだけでいろいろ溜め込んじゃって、わあってなっちゃうときがあるんですけど、絵描いてるときは赤ちゃんの自分というか、自分と絵しかいない、みたいな。
その感じ、なんかすごく好きなんですよね。本当に好きで描いてます。
サポートくださりありがとうございます!ご支援いただいたことを糧にこれから制作をがんばります。