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自身の固定観念への気づきは、自分の関心の外側にこそある

原書から組織開発(以下OD)を学んで行こう、という勉強会を始めてから、3年半あまり。
今回の書籍で5冊目となります。

これまでは、「ODの視点でODについて学ぶ」
というコンセプトで書籍を選定し、
ODについてもっと深めていくための学びの場としてましたが、

今回は少し志向を変えて、ODの隣接領域である
「L&D(HRD)の視点でODについて学ぶ」
というコンセプトで書籍を選定し、
L&D(HRD)の視点ではどのようにODが移っているのか、また。、

L&d(HRD)にどのようにODを効果的に活かしていくことができるのか、ということを知り、深める場となれば、と思っています。

ということで今回選定した書籍が
「ATD's Organization Development Handbook」です。

詳細はこちらからご覧いただけます


私のキャリアのバックグランドは、ソフトウェア開発技術者です。
「コンピューター」というキーワードだけでソフトウェア開発の世界に飛び込み、長いこと「ソフトウェア」という無形のものづくりに従事してきました。

組織開発(以下OD)という世界が私を誘ったのは、
ものづくりの現場で働く人たちが、
もっとコミュニケーションを活発に行い、もっと相互に補完し、
切磋琢磨しあう関係性を築いて協働するならば、
そこで働く人達はきっともっと、もっとその価値を発揮して、
共に新たな価値を共創し、活き活きとやりがいに満ちた仕事ができるに違いない。

ODにはそれを実現する大いなる力と可能性があるに違いない、
ということでした。

何よりも、現場の最前線で働く人たちが、
組織の価値創造の源泉だという確信が私にはあって、

そういう人たちが自分の価値を発揮することなく、
搾取されたり、埋もれて行くのが、何よりも嫌だった。
自分の大事なものが踏みにじられ、
自分の尊厳が失われていくような気がしたから。

その現場で働く一人ひとりが、自分の仕事と価値に誇りを持って、
イキイキと自分らしく生き、その価値を存分に発揮する土壌(組織)を、
ものづくりに従事したひとりとして、強く、強く、望んでいるのです。

それを実現するための手段、ツールがODだった、というだけのこと。


私には「人事」や「L&D」や「HRD」に関する業務経験もなければ、知識も持ち合わせていません。

ものづくりの(無形だけど)現場から、
いきなりODという世界に飛び込み、
以来、ODの視点でODを知り、様々な体験と経験を通じてODを学び、
セルフを磨いてきたと自負はあるけれど、

「L&D」や「HRD」と「OD」の世界観の違いは
全く分かっていなかったという
自分の無知を今更ながら思い知っています。

「L&D」、「HRD」と「OD」は隣接領域として共通部分が多く、
似たようなものであると捉えていましたが、実はその成り立ちの系譜から
両者の前提やマインドセットは全くことなるものであることを、
今回、この「ATD's Organization Development Handbook」という書籍を通して知りました。

両者は、共に関わる対象は「人」であれど、
HRM/Dは、Institutional Education であり、
その存在意義は、(人が)技能資格認定などに代表されるスキルや技能の習得機会の提供

一方、ODは、Organization Learning であり、
人や組織が成長する場と機会の提供、が存在意義となります。

そして何より顕著に異なるのは、
HRM/Dには、集団やグループは対象でなく、
あくまで「個人」が対象であるということ。

故に、HRM/Dには、「グループダイナミクス」という概念は存在しない、ということを初めて知りました。

私は勝手にHRM/Dも、当たり前に集団やチームも対象にしており、
そこに何かしらの教育(Education)を提供することで、
集団としての成長や協働を促進するスキルや能力の
開発機会を提供するものだ、と思っていたわけです。

私の固定観念:思い込み、に気づきをもたらしたのは、
自分の関心の外側にあるものだったんです。

自身の関心の中にあるものだけから学んでいても、
新たな視点や発見、発想はやってこない、
ということをまざまざと思い知りました。


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