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変化の時代に求められるスキル
「大企業に入れば、一生安泰」という時代は終わりつつあります。
終身雇用におけるキャリア開発は、個人ではなく組織が考えるものでした。
しかしこれからは、自分でキャリアをデザインしていかなければいけません。会社員であっても、変化に応じて柔軟にキャリアを変えていく力、つまり「キャリア・アダプタビリティ」が求められています。
「キャリア・アダプタビリティ」は、キャリア研究の第一人者であるドナルド・E・スーパーによって提唱され、その後マーク・L・サビカスが発展させた概念です。
アダプタビリティとは適応できる、順応できるという意味ですが
キャリアを切り拓いていくには、変化の必要性が生じたときに、その変化を受け入れて、適応できる能力が必要です。
キャリア・アダプタビリティは
①関心(Concern)
②統制(Control)
③好奇心(Curiosity)
④自信(Confidence)
という4Cから構成されています。
文教大学 准教授 益田勉さんは以下のように論文で書かれています。
①関心(Concern)
将来の職業に対する関心は、キャリア・アダプタビリティの4つの要素の中でも最も重要である。
個人は将来を現実のものとして感じ、それに備えることができなければならない。キャリアへの関心は、本質的には未来志向的であり、明日に備え
ることの重要性を認識することである。
職業生活の過去を振り返り、現在を深く考え、将来を予期することによって、その連続線上に未来を現実のものとして感じさせるのが「関心」である。
計画性と楽観性が「関心」を醸成するが、キャリア関心が欠落すると「無関心」の状態となり、無計画と悲観が支配的となる。
②コントロール(Control)
個人は、将来の環境に対して多少なりともコントロールできるという感覚を持つことが必要である。
こうしたコントロールの欠落感は、将来の職業はすでに他者によって決められていて自分にはそれに抗うすべがないと感じている若年層の人々に典型的に見られる。
キャリア・コントロールは、個人は自らのキャリアを構成する責任を持っているものと感じ、また信じることを意味する。米国では、個人と社会のバランスをとる方策として「個の独立」に向かいやすい文化をもつので、このよ
うな文化の中では、「自分のキャリアは自分で創る」というのが、コントロールの代表的な帰結となる。
キャリア・コントロールの欠落状態は、キャリア上の優柔不断(不決断)である。
③好奇心(Curiosity)
個人が自分自身を知り、また職業について知ろうとするときには、様々な形で環境を探索して回る必要がある。
キャリアを構成する上での好奇心の役割の重要性は、多くのキャリア・ディベロップメント理論の中で繰り返し語られてきた。
新しい経験に対してオープンであること、自分の可能性や今とは異なる役割を試してみることに価値をおく個人は、新しい冒険をやってみずにはいられない。
それによって自分に対する気づきが深まり、職業に関する多様な情報も収集することができる。
好奇心の欠落は、仕事の世界に対する無知と不正確な自己イメージをもたらす。
④自信(Confidence)
自信は、障害を乗り越え、挑戦を続けることによって成功につながるという予期を表す。キャリア選択は複雑な問題解決を要するテーマであり、それ
を進めていく上では自信はなくてはならないものである。
キャリアに関する自信は、学校教育あるいは職業選択の上での選択決定を適切に行うために必要な一連の活動を成功裏に進めることができるということについての自己効力感を表している。
幅広い探索の経験はさらに多くのことを成し遂げようとする自信を強化する効果を持つ。
自信の欠落はキャリア上の自己抑制をもたらす。
要するに
・自分の将来に対する関心をもつ
・自分のキャリアについてコントロール力を高める
・自分の可能性を探求する好奇心をもつ
・挑戦することへの自信を強める
ということが必要ということです。
そして、キャリアに関心や好奇心を持つためには、そもそも自分の価値観が明確でなければなりません。
“自分にとってのキャリアの成功とは何か”について、複数の観点から考えておくことは必要だと言えるでしょう。