山岳カルマ
本文
山脈の深淵。
それを知る者は誰一人いない。
山岳部先代顧問の手記だ。
何が起きているのだろう。
山岳部が怪異に巻き込まれたことに由来しているようだ。
山岳部員が初めて怪異に巻き込まれたのは、20年前である。
高校からほど近い、標高1000mにも満たない山でのことだ。
山道に沿って歩いていたのだが、1週間も行方不明になった。
山道からそれないように目印があるため、迷うとは無縁だという。
念のため、捜索隊による捜索が行われたが、何の手掛かりも見つからなかった。
何も手掛かりがつかめない中、1週間後、突如何事もなかったかのように帰ってきた。
彼らによると、普通の山道を歩いていただけだという。
2回目は6年前、日本アルプスを踏破するために信州遠征をした時だ。
その日は山頂にアタックする日だった。
だが、進めど進めど山頂は見えない。
先代顧問によると、その時に声が聞こえたという。
「君たちは天に相応しくない」
「天に行きたいのなら………………………」
その後、先代顧問は退職した。
それでも怪現象に巻き込まれることが多い。
山岳部に何があるのだろうか。
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