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ラムネ炭酸寝顔

本文

暑くなってきた。
炭酸でも買おうか。


僕は何を思ったのか駄菓子屋に入った。
瓶入りのラムネが買えと言わんばかりに主張してきたんだと思う。



暑いから5本も買ってしまった。
1本は店で飲み、残りは家に持って帰った。



炭酸だから全部冷蔵庫にしまった。
飲みたくなったら飲もう。





次のラムネを開けた。
押して開ける感覚がたまらない。
そういえば、小さいころ、大切な誰かがいた気がする。





次の日。
ラムネを開けた。
炭酸が脳細胞を刺激する。
あの子は笑顔が素敵な子だった。
ずっと一緒にいられたらよかったのに。



数日後。
ラムネを開けた。
あの子は寝顔も素敵だったな。
あと少しで思い出せる。




そして最後の1本。
あの子は突然いなくなったんだ。
最後に見たのはきれいな寝顔だ。


そうだ。




あの子は泡沫。
人魚姫ではないけれど、泡沫が相応しかった。






あまりにも短命だった。



嗚呼。

嗚呼。





忘れたい。





これが泡沫となって消えてしまえばいいのに。


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月ノ宮闇
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