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どうなる?自治体主催フォトコンテスト

私は自治体職員ではありません。しがない一町民です。

 はい。2年間ばかり「村役場職員」だったことはありますが、今さらです。ですが、10代の頃より断続的ながら「写真」を趣味としてきて、「フォトコンテスト」全般の変容を身をもって感じてきたつもりです。そして、近頃はSNS(このnoteでも)を通じて、自分が撮った写真を発表しております。
 そんな私が「寄居まちづくりNOTE」さんの記事を拝読。

 私の住む芦北町でも、町主催ではないけれど県立青少年の家主催「あしきたフォトコンテスト」が開催されていました。そういえば、あれ?、今年は作品募集の告知を見ないよな・・・で、あれこれ考えてみた次第です。

SNSとは「個人が気軽に投稿する場であって、自治体などの公的な組織には本来そぐわない」

 いえ、もちろん防災情報の発信、イベントの告知等でSNSが有効な場合も多いでしょう。ところが「観光情報」を思い浮かべてみてください。例えば町内の”おいしいお店”を個人なら気軽に紹介できますが、自治体が公式情報として紹介することが出来るでしょうか。町内に飲食店が一軒しかないのならともかく、他の飲食店との”公平性”を考慮しなければなりません。また、”桜の名所”を個人なら気軽にポンと投稿できるでしょうが、公式情報として投稿する場合、「立入禁止の場所から撮影していないか」等々考えるべきことは多いです。
(すみません<m(__)m>。完全に「釈迦に説法」ですね・・・)

基本、どんなものにも「撮影許可」が必要である

 迫力のSL発車シーン。

2018年3月14日。肥薩線・白石駅

 自信をもってフォトコンテストに応募しても、あえなく落選・・・。「Instagramに投稿しましょう」と銘打ったフォトコンテストで、他の方の作品も拝見して得た結論デス。「駅のホームは鉄道会社の私有地であり、撮影許可が必要」。いや、これは決して明文化されたものを目にしたわけでないので、あくまで私のヒガミかもしれません・・・。
 しかし、「あ~~、ナルホド・・」と思ったこと。「神社仏閣の境内での撮影は、許可を得ていること」という文言を目にした時です。「撮影禁止」と明記されていなければ、撮影は問題ない・・と私は解釈しておりましたが、神社仏閣もたしかに”私有地”ですよね。
 また、私自身長い”田舎暮らし”を経てようやく理解できるようになりましたが、例えば私は「あっ、鄙びてて趣のある古民家だな~」と思ってカメラを向けたとしても、実際に住んでいる方は「こんなボロ家で恥ずかしい~」と思われているかもしれない・・・。
 都会で”ストリートスナップ”を趣味として、何気ない路地裏などを「いい被写体だな~」と思われて撮影されている方にも、考えをお聞きしたいように思います。

ひねくれ者です。有名撮影スポットには、なかなかカメラを向けません・・(御立岬公園シンボルタワー)。

 結果として”万難を排して”選べる写真とは、公式に「撮影スポット」と認定された場所に絞られる・・・というのが、自治体主催フォトコンテストの実情ではないでしょうか。諸々応募規約に明記されていたとしても。

 そして、「人物写真」は応募できない!


35年以上昔、私が写真学生だった頃。新宿駅

 私が写真学生だった頃は、「スナップ写真」とは「街の人々の生の表情を切り取る」こと。私なんぞへっぴり腰の臆病者。学校では「もっと被写体(他人)に迫れ~」と叱咤されておりましたっけ・・・。
 時は流れて、テレビで”都会の雑踏”が写される時はボカシが入る時代。自治体にとっては自慢のお祭りやイベントがあったとしても、大勢の観衆の『肖像権』に配慮しなければならない・・・。
 家族や友人を被写体としてコンテストに応募する、という方法はありますが、「自分の顔が審査の場に晒されるのは恥ずかしい・・」。
 せいぜい応募できるのは、まだ「恥ずかしい」という感情が育っていない自分の子どもを被写体にした写真・・・orお祭りやイベントでの出演者だけを切り取った構図にした写真・・・。
 自治体が主催するフォトコンテストは、徐々に廃れていくのではないでしょうか。

 

SNSの隆盛の裏で、実は「フォトコンテスト」自体が存在を問われているのでは?

 ここまで書いて思い至ったのですが、何も自治体主催のフォトコンテストに限らず、「フォトコンテスト」自体が存在を問われているのかな~ということです。
 あるカメラ店さんが写真投稿サイトを運営しております。ある時、作例としてSNSにポートレート作品が紹介されました。ところが「いや、待て!。これは線路内で撮っているじゃないか!!」。お節介ながら、そのことを指摘して削除して頂きました。水害前の肥薩線のように、列車は数時間に一本という頻度の路線では、ちょこと線路上で撮影してくらいで実害はありません(断言してはいけないのでしょうが)。個人のSNSアカウント上で投稿するくらいなら、私もイチイチ指摘しません。
 しかし、いやしくも「フォトコンテスト」と銘打つ以上、当たり前ですが「法令順守」が求められる。そんな時代になったのかな・・と思い至ったところです。

(寄居町さんのフォトコンテストが、盛況となりますように)
 

 

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