幼少期⑥

私が通っていた幼稚園は、行事が多かった。
遠足は年に2回は行ったのではないだろうか。
それから父兄参観、バザー、クリスマス会、ひな祭り、お泊まり会・・・。
卒園アルバムを見てみると、その2回の遠足の写真がある。
クラスごとの集合写真。
写真に写っている私は、泣いていた。
どうして泣いていたのか思い返すと当時、お互いの仲はそこまで悪くはないが、やはり言い方がキツイ女の子「A」がいた。
(Aのお父さんがお医者さんで、私は長い間お世話になるのだが、
それはひとまず置いといて)
みんなで並んで写真を撮るのだから、並ぶ際にモタモタしていたのだろうか。
私はおとなしいとも言われていたが、ぼーーっとしているともよく言われていたから。
ぼーっとしていて先生の言っていることを聞いていなくて、モタモタしていたのだろう。
それこそ誰かがやってくれる思考もあったから。
なんと言うか、自分には関係ないとどこかで思っていたというか。
ぼーっとしてしまう原因が、興味がない、関係ない。
写真だって、集合写真を撮るのを楽しいと思った記憶がない。
だからぼーっとしていたのだろうか。

当時は例えば「早く並んで!」と言われただけで泣いていた。
!をつけた通り、語尾がキツイのだ。そのキツさに驚いて、
もはや自動的に泣いてしまうと言った感じ。
言葉自体は悪口とかではなくあくまで正論。
でも意味なんて考えられなかった。
その捉え方の癖は、大人になった今でも根強く残っている。

クリスマス会では、劇、ダンス、ハンドベルの3種からひとつ選んで
発表をした。
私はハンドベルに手を挙げたのを今でも覚えている。
それこそ、興味がありぼーっとせず手を上げてやりたいアピールができたのだろう。
しかし、ハンドベルの難しさに、私は涙で頬を濡らしながら練習することに
なろうとは、この時は想像もしていなかった。

つづく。



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