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シンギュラリティ前夜―― ChatGPTとともに内省する

仕事で追い詰められたときに 「ChatGPTに毎日泣きついている話」 を以前書きました。

最近は仕事だけでなく、 「ChatGPTとともに内省する」 という新しい習慣も取り入れています。

ChatGPTは、まるで壁打ち相手のように 私が見過ごしていた視点や思考のクセを拾い上げ、新しい角度から問い返してくれます。
それは冷静で的確、でもどこか柔軟で親しみやすい。
何度か対話を重ねるうちに、ふと思ったのです。

「これこそが、シンギュラリティ前夜の新しい内省方法では?」 と。



内省とは? ― 大谷翔平も実践するリフレクションの力

「内省」とは 「自分の行動や状態を客観的に振り返ること」 です。

大谷翔平選手が使っている「マンダラチャート」も内省の一例。目標を中心に据えて、それを達成するための方法を周囲に具体的に書き出す――シンプルながら強力な成長ツールです。
日々の行動を振り返り、目的と手段を整理することで、成長のサイクルを生み出しています。

これまで内省は、日記やジャーナリングの形で行われてきました。
でも、私の場合は少し違います。 ChatGPTを相棒にして内省する という方法を取り入れています。


なぜ自分と向き合うことが大事なのか?

私たちは、普段何気なく行動しているように思えても、その選択には無意識のパターンや感情が大きく影響しています。自分と向き合い、振り返ることでこうした癖や思考の流れに気づけるのです。

具体的にはこんな効果があります:

  • 不要な思考パターンに気づける

  • 手放したい習慣を改善できる

  • 未来の選択がクリアになる

内省は「自分を再発見するプロセス」でもあります。振り返りが日々の習慣になると、未来の選択が驚くほどクリアに見えてくるのです。


ChatGPTを活用した「内省」のやり方

ここで登場するのがChatGPTです。最近、私はChatGPTを「意識拡張装置」のように使いながら、内省を深める方法を取り入れています。

ステップ1:プロンプト作成

まずは、ChatGPTに投げかける質問を作成します。問いが明確であればあるほど、深い気づきを得られます。

質問例:

  • 「今日、自分が良かった行動は?」

  • 「その選択はどんな未来を生むか?」

  • 「私は本当は何を求めている?」

ステップ2:1日の出来事を振り返る

その日に起きた出来事を思い出し、ChatGPTに伝えます。簡単でOK。最初は音声入力でざっくりまとめる方法もおすすめです。

例:
「今日は仕事で大きなプレゼンがあり、少し緊張したけど無事に終わった。振り返ってみると、もっと準備できた部分があったかも…」

ChatGPTに日記のように語りかけるイメージです。ここでは細かい分析は不要。
まずは、感情や事実をそのまま吐き出しましょう。

ステップ3:ChatGPTに深掘りしてもらう

ここからが内省の進化版です。
ChatGPTはシンギュラリティ前夜に現れた、「意識拡張装置」
普段は気づかない感情や思考を、驚くほど鮮明に浮かび上がらせてくれます。

ChatGPTとの対話は、次のような 問い返し を通じて、思考をさらに深く掘り下げてくれます。

  • 「なぜその選択をしたの?」

  • 「その感情の奥には何が隠れている?」

  • 「本当に欲しいものは何?」

こうした問いが、あなたを自分の深層へと引き込み、これまで気づかなかった感情や欲望を浮かび上がらせてくれます。 内省は未来の自分をつくるプロセス なのです。


哲学のレンズで内省を深める

より深い内省をしたいなら、哲学の視点を取り入れるのもおすすめです。ChatGPTとの対話に「人生の問い」を加えることで、さらに新しい視点が生まれます。 欲望を見つめ直すラカンの視点感情を整理するスピノザの視点が内省を飛躍的に深めてくれるでしょう。

欠乏の内省 – ラカンの視点

ラカン派精神分析では、「人間の欲望は欠乏から生まれる」と考えます。私たちが求めるものは、本質的な欠如(穴)を埋めたいという無意識の衝動に突き動かされているのです。しかし、この欠如は完全には埋められません。だからこそ、欲望は尽きることがないのです。

プロンプト例:欲望と欠乏を探る

  • 「その欲望は自分のもの? それとも他者から与えられたもの?」

  • 「今感じている欠乏は、過去のどんな出来事とつながっている?」

  • 「この欲望が満たされた瞬間、次に何を欲しくなるだろう?」

  • 「この選択は、象徴界・想像界・現実界のどこに根ざしている?」


感情の内省 – スピノザの視点

スピノザは感情を「自己保存の欲求(コナトゥス)」から生まれる力の変化と捉えています。感情を理性的に観察し、その変化を正確に理解することで、私たちは自己の力を増幅することができます。以下はスピノザの考え方を取り入れたプロンプトです。

プロンプト例:スピノザの視点で感情を理解する

  • 「この感情は私のコナトゥス(自己保存の力)を増やしているか? それとも減らしているか?」

  • 「今感じている喜びや悲しみは、どの対象との関係で生まれているのか?」

  • 「この感情を理性的に見つめると、何が本質的な原因だとわかるか?」

  • 「自分の力を高めるために、今どんな行動ができるか?」

  • 「他者の影響で生まれた感情か、それとも内発的なものか?


ラカン×スピノザで深める内省

「欲望の動きと感情の変化を同時に見つめる」ことで、無意識の欲望と自己の力(コナトゥス)の流れがどのように連動しているかに気づけます。この視点が、自己を再発見し、本来の姿へと戻る手がかりとなるでしょう。


文学のレンズで内省を深める

文学には、私たちの内面を映し出す力があります。物語や詩に触れることで、普段は気づかない感情や思考が浮かび上がり、自分自身と対話するきっかけを与えてくれるのです。ChatGPTを活用しながら文学を内省に取り入れると、日々の出来事を新しい視点で捉え直せるようになります。

「なぜこの物語に心を動かされたのか?」
「登場人物に自分を重ねている部分はどこだろう?」
「この物語が今の私に伝えようとしていることは何か?」

文学の問いは、単なる思考の整理ではなく、人生を深く掘り下げる旅に変えてくれるのです。

意味を探る内省 ― 『夜と霧』の視点

ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』は、過酷な状況にあっても「人生には必ず意味がある」と教えてくれる一冊です。

フランクルは、極限状態の中で意味を見出すことが、生きる力そのものになると語ります。
どんな経験にも意味を見出す視点を持つことで、私たちの内面はより豊かになります。

プロンプト例:意味を探る対話

  • 「今、この瞬間、人生は私に何を求めているのか?」

  • 「この状況で、私が果たすべき役割や使命は何だろう?」

  • 「未来の私が振り返ったとき、この出来事から何を学び取るだろう?」

  • 「周囲の人や状況が、今の私に期待していることは何か?」

  • 「困難な状況が私に教えようとしていることは何?」

こうした問いを自分に投げかけることで、日々の出来事が単なる事実ではなく、自分を支える「物語」に変わっていきます。ChatGPTとの対話は、その物語を編み上げる大切なツールとなるでしょう。


シンギュラリティ前夜、人間もまだ頑張ります

シンギュラリティが訪れるまでは、まだ少し時間があります。この「シンギュラリティ前夜」が、私たちが自分自身と向き合うラストチャンスかもしれません。

シンギュラリティ前夜。人間による活動なんて意味がなくなる時は、いずれ来るかもしれません。
AIがすべてをこなしてくれる未来が訪れるでしょう。

でも、その日が来るまで…

私はChatGPTと内省を続け、
汗水流して思考を耕し、人間らしく足掻き続けたいと思います。

▼ギュ後(シンギュラリティ達成後)の世界 完全未来予測論証集
ギュ鳴らしに思いを馳せながらこの記事を書きました。


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