WIN-WINの関係という落とし穴についての話
皆さんこんにちは、あんかけマンです。
私は4年間HR領域の会社を経営しており、働き方や仕事ということについて常に触れる環境で生活います。
HRというのはヒューマンリソースの略で、人の力を使って何とか課題解決しますよって感じのニュアンスです。
なので、必然的に人の転職の話だったり、企業の求めている人物であったり、今の世の中の『働く』って事に対しての情報に日々触れているのです。
その中で、「もっと働くってこういうものなんじゃないかなぁ~」とか
「採用ってこういうものなんじゃないかな~」って思うことがあるので、そういうのを中心にこのnoteは書いて行こうかなって思ってます。
ビジネスパーソンの口癖「WIN-WIN」
日々色々な方と接しながらお仕事をしていると、仕事を取組む上でのスタンスについての話になる事があります。
特に私の場合は、この姿勢の部分を大事にしていて、単に儲けを得るためであったり、給料をもらうためであれば、別に今の仕事以外にも選択肢ってあるよね?
みたいな事を常日頃から思っていますし、実際に面接でも話していたりします。
そのなかで良く使われる「WIN-WIN」という言葉について今日はお話していこうと思います。
初めに断っておくと、
別に私は「WIN-WIN」という考え方を否定したいわけではなく、もっと素敵な状態ってあるよね!
という事が言いたいのです。という事です。
そもそも「WIN-WIN」の関係ってどういう関係かっていうと、「お互いに勝っている状態」という事になります。
単純に日本語に直すとこうなりますね。
図にするとこんな感じ。
「わたしの勝ち分」と「あなたの勝ち分」が釣り合っている状態。
これが俗にいう「WIN-WIN」の状態だと思います。
前提、この考え方って素敵だとは思うのですが、私の思う落とし穴は次のような点で、
「勝ち」の「価値」が釣り合って無くない?
って事なのです。
勝ちの価値が釣り合う事ってなくない?
「WIN-WIN」という言葉が使われるときは、ビジネスのシーンが多かったりするのですが、
この取引はお互いにとってメリットのある話だからWIN-WINだよねっていう塩梅です。
が、ここで私が言いたいのは、
100万儲かる話と、1000万儲かる話って、全然釣り合って無くない??
って事です。
図にするとこんな感じ。
もちろん、このような場合もあります。
お互いに得してるから「これで万事解決OK!」とはならなくない?って話なのです。ビジネスなので。
いや、このような事を考えてる時点で、利益至上主義の考え方で、大事なのは利他の心なのです!
的な反論もあるかもしれませんが、ビジネス上の話なので、普通に釣り合わない話には乗れないよって話なのです。
そもそもこういう視点でWin-WInを考えると、双方の利益を同じものとする必要があるため、どこまでの誤差であれば許されるのか?みたいな話にもなるのですが、
ビジネスモデルによっては、利益額が大きく異なってくるためそもそも協力体制が築けない場合があるのです。
例えば、お互いがWIN-WINになるために、リファラルでの紹介を1名ずつ出し合いましょう!となった時、
焼き肉屋さんへお客さんを1名紹介したAさんと、
車やさんへお客さんを1名紹介したBさん。
相互に1名ずつお客さんを紹介しあっているのですが、これって本当にWIN-WINでしょうか?
前提、どちらも得をしているので(利益的に)負けてはいないはずです。
しかし、気分的な部分で言うと、車屋さんのAさんへお客さんを1名紹介したBさんからしてみれば、Aさんは車が売れて300万の売上がたっているのに、
Bさん自身はAさんからの紹介で焼肉屋さんにお客さんが1名訪れましたが、その時の売り上げはいいとこ2万程度なわけです。
売上は2万円上がっているのに、気持ちの世界では298万円負けているのです。
いや、実際にこんな事を思っている人はあまり居ないのでしょうが、私自身の経験として、
一方は「WIN-WIN」だと思っているけど実態は「WIN-WIN」になってないケースってのは結構あります。
そのため、
「これでWIN-WINだよね!?」「WIN-WINの関係を作りましょう!」
みたいなのが、あんまり好きではないのです。
「いや、うちの商材年間480万するけど、私の事ほんとに勝たせること出来ますか?」
とか素で思ったりします。
ひねくれてますかね?(笑)
でも、これが真実だと持っていて、そもそも「勝ちの価値」が釣り合う事なんてないし、そもそもそこを釣り合わせようと思ったら、誰かと協力するなんて出来ない事になってしまうんです。
全てが「勝った」「負けた」の話になってしまうので。
「WIN-WIN」から「素敵な世界」へ
で、何が言いたいかっていうと、
「WIN-WIN」の関係性っていわば1対1の関係性で、これだとフォーカスすべき相手が一人になってしまう。
という事です。
理想形で言うと、「1対1」ではなく「1対n」
誰かに1出したものが、巡り巡ってどこかから1返ってくるイメージ。
図にするとこんな感じ。
あなたに渡した「勝ち」が、どっかで「だれか」から「わたし」に返ってくる。
ってイメージ。
そもそも、WIN-WINって言葉の裏には負けたくないからあなたからも勝たせてもらいますよっていうニュアンスが含まれていて、
もっと広い概念で考えた時に、
あなたを勝たせたことで、一旦は私は負けるんだけど(泣くんだけど)どっかで幸せになれるから苦じゃないんです。
こんなニュアンスの方が「爽やか」じゃない?
って事です。
じゃあ、このだれかって誰なの?って話になると、
こんな感じ。
わたしを勝たせてくれた「だれか」もまた別の「だれか」から勝たせてもらっていて、その「だれか」もまた「だれか」から・・・・・・・
もっと言うと、こうなってるはずです。
巡り巡って、どこかで何らかの形でHappyが返ってくる。
わたしが誰かにそうしてもらったように、わたしも誰かに幸せをあげる。
なんか、こういう考え方の方が好きで、WIN-WINって言葉を私はあまり使わず、こういう状態を「素敵な世界」って呼んでます。
はい、なんか急に怪しくなりましたね(笑)
「世界」って付くと、途端に怪しくなるんです。
あいてに何かをする時に、その人からのWINをもらおうとするのではなく、
その行いが、いつか誰かから帰ってくる。もしくは既に誰かからもらっている。
だから、わたしはあなたを勝たせる。
そういう、みんながみんなで社会を回して循環していく。
こういう考え方を日常からから口にする人が増えて、そういう素敵な世界になったらいいなぁ~って思いながら、この記事を書いてみました!