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それはポートレートだろうか:写真の部屋
たとえば正月に親戚が集まって写真を撮るとき、「ポートレートを撮る」と思う人は多くないでしょう。それは「記念写真」だと思っているはずです。ここが単純そうで、定義として重要なところです。
ポートレートという言葉は肖像画から始まっているので英語で検索すると絵画も出てきます。では人を撮った写真はすべてポートレートなのかというとやや疑問も生まれます。絵の場合は画家が筆で自覚的に描かないと何も進まないので、描く人の意志や技量が出やすいのですが、写真はカメラのレンズを向けた先にいる人は否応なくみんな写ってしまう。偶然性が強く、自覚的な意図が弱まる理由です。
画家は無駄なモノを描きません。背景に何色の壁があるか、どんな花瓶があるか、窓があるかなどを全部決めてから描くのですが、写真だと撮ったあとで「あれ、背景にこんなクルマがあったんだ」などと思うことがあるでしょう。それが偶然性です。
まず「自分が理想とするポートレートとは何か」を明確にしておく必要がありますが、私は仕事でもプライベートな場でも、すべて『ポートレート』を撮ろうとしています。モデルをスタジオで撮るようなものだけがポートレート写真ではないということです。
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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。