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0911_本日の6枚:写真の部屋

ここには毎日撮っている、どこにも使うことのない「用途なき写真」を載せています。

絵が描けない人は、白い紙のどこから筆を置き始めたらいいのかがわからないと思います。写真もそれと似ていて、たとえば東京タワーを撮ろうとカメラのファインダーをのぞくとき「画面の1/3の位置に置けばいいんだっけな」などと聞きかじりの知識を思い出そうとします。そうではないのです。

元々絵心があったり、デザイン感覚を訓練した人は瞬間的にベストな構図を作れますが、そうでない人は何を撮ろうとしたかわからない写真を量産することになります。構図に正解はなく、あるとしたら「自分には世界がこう見えた」という意図の再現だけです。それを鍛えるためにカメラを動かすのではなく、相手が動いている中で瞬間を選ぶ方法があります。

ガラス張りの天井があったのでカメラを向けました。人物撮影と同じで雲はこちらの都合を考えずに動いていきますから、青と白の比率が好きなバランスになったときに撮ります。ここで大事なのは自分にとってのベストバランスを理解することです。誰かが撮った写真を見て「自分だったらもっとこうするんだけどな」と感じることがあるはずですが、他人の感覚は生理的に気持ち悪く思ってしまうのが当たり前です。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。