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フーマニズム:PDLB

まるで流行語のように言われる「好きなことを仕事にする」という言葉ですが、これを誤解している人は多いような気がします。私が好きな話ですが、黒柳徹子さんが子どもの頃に木登りが好きだった友だちが、大人になって電柱を登る電気工事の仕事をしていたそうです。これなどは本当に好きなことを仕事にした即物的な例なのですが、それとは違う種類の受け取り方もあると思うのです。

偽善者の校長先生みたいな言い方になりますけど、嫌な仕事でも楽しくやればいい、というスタンス。与えられた嫌な仕事も、好きになればいいというか、好きになる努力をする、好きな部分を探す、無理矢理でも楽しい部分を捏造する、やり方はどうでもいいのですが、「これは自分が好きな仕事ではないから、不満だ」で終わらせてしまうとそれまでなのだと思います。

また黒柳徹子さんの話で(どれだけ好きなんだと思われそうですが)、徹子さんが仕事を始めた頃はまだ若い女性がお茶くみをするのが当然、という時代でした。まわりの女性は、そんなことをしたくない、と不平不満ばかりを言うのですが、徹子さんはそれを頼まれる前にわざと難しい仕事を引き受ければいいんじゃないの、と思ったそうです。お茶くみが嫌だ、ではなく、それをしなくて済む方法を探せばいいという考え方です。

一日8時間を給料と引き替えに会社に差し出していると思うと仕事はとても辛いものになってしまいます。もし肉体労働をしている人であれば、給料をもらいながらジムに通っている、と思ってみるのはどうでしょう。くだらない話ですが、ある友人がパーソナルジムに通い始めました。少し筋肉がついてきたのがうれしいようで熱っぽくその話をしていたのですが、隣にかなりマッチョな男性がいて、彼は引っ越し屋さんで働いている人だとわかりました。その『有意義な筋肉』を前にして、友人は負けたような顔をしていました。

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