97%の結婚:博士の普通の愛情
10年以上会っていなかった友人と食事をしたとき、彼が子どもの写真を見せてくれた。結婚していたことすら知らなかったが、ふたりの可愛らしい男の子はヨーロッパ風の顔をしていた。
「奥さん、外国の人なのか」
「うん。ヘルシンキで知り合って」
「フィンランドの人か」
「そう。ふたつ年上で、身長は俺より5センチ高い」
ヨーロッパで国籍が違うパートナーは何も珍しくない。彼らのルーツも複数の国が重なり合っているのが普通で「私はイタリア系ギリシャ人で、彼はドイツ系フランス人なんだ」などと言われると、ひとつの家族に4つのナショナリティが存在することになるんだなあと感じる。
ここが、自分たちはほぼ単一民族だと考えている日本人との大きな差だろう。「結婚することになったんだけど」と言われて「相手はどこの国の人なの」と聞く人はほとんどいないだろう。日本での国際結婚の比率は約3%と言われていて、多くは日本人男性とアジア人女性であり、日本人女性は相手の国籍がバラバラなのだと聞いたことがある。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。