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サンフランシスコの警官:Anizine

今日ちょうど昼時に食事に行ったら隣の席に三人の会社員っぽい人たちが座りました。女性二人と男性ひとり。みんな30代前半くらいでしょうか。お決まりの会社の愚痴が始まります。他の部署は待遇がいいのにうちだけ扱いが悪いとか、私たちは会社の利益を考えて働いているのに給料は上がらないし、社長は意味不明なことをしているとか、割と大きめな声で具体的な固有名詞を出しながら話しています。

こういうのを聞くのが嫌いなのでいつもはタイミングをずらすのですが、今日は不運でした。もし私が彼らの会社の上司であれば、こんな場所で社内のことを大声で話す社員の給料なんて上げませんよ。経営者がやっていることが社員にとって意味不明というのは当たり前のことで、その意味が理解できるのなら明日から経営者になれます。いつも思うのですが、彼らは少し前に就職の面接で「御社の経営理念に賛同し」なんてことをリクルートスーツ姿で緊張しながら言っていたはずなのです。それをすぐに忘れちゃう。

慣れてくるとみんなそうなるのです。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。