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伝達の技術:PDLB
ある企業の仕事をしたとき、あまりにも連絡の効率が悪く閉口したことがあります。たとえばこんな感じのメールがきます。
「急ですが、木曜日の午後は空いていますか」
「木曜日というのは今週20日のことですか。会議ですか」
「そうです、そうです」
「今週の20日ですね。会議ですか、撮影ですか」
「撮影です」
「場所はどこですか。ロケかスタジオか。撮るのは人物ですか」
「はい。人物です」
同じ感想を持つ方もいると思いますが、伝達の技術が最悪です。こういうコミュニケーションが特殊かと言えばそうでもなく、割と多いのに驚きます。
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「今週20日の木曜午後に、都内のスタジオで人物の撮影を依頼したいんですが、可能ですか」
たったこれだけでこちらが知りたい内容が一度で伝わるはずで、伝達の基本は何かがわかっていないとこうなります。反対に「プロだなあ」と感心する人もいます。以前、こんなプロデューサーがいました。
スタッフがほぼ固定のレギュラー仕事があったのですが、慣れてくると緊張感がなくなり、毎回ミーティングに遅れる人がいました。しばらくしてプロデューサーが交代したのですが、後任のその人は優秀でした。彼が参加した最初のミーティングでチームの緩んだ雰囲気を嗅ぎ取ったのでしょう。普段は13時に始まる会議の連絡メールが送られてきました。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。