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自画自賛したら終わり:PDLB

私は質問をされるのが極端に苦手です。「自分は質問されることが嫌いではない」という人もいて、なぜかと考えるとかなり重要な部分に入り込んだ気がしたので、そのことは次の本に書くことにしました。

自分が現実的に関わることができる世界のサイズには限界があるので、その外側の未知の領域を知りたい好奇心があることはわかります。アスリートに会えば「あのオリンピックの決勝ではどんなことを思っていましたか」などと、つい聞いてみたくなるでしょう。しかしそれを聞いたことで自分にどんな変化があるのかについては、相手があることなので真剣に考えなくてはいけません。

ビジネスにおいてマーケティングリサーチは大事ですが、消費者に対して何か質問をするとき、それが機能していないこともよく見受けられます。「我が社の製品はどうですか」という問いに対する、答える側のバイアスを理解しておかないと質問が無意味になってしまいます。

ある経営者が「我が社の製品は外国で評判がいい」と力説しているのを聞いたことがあります。はたしてそれは客観的な事実でしょうか。おそらくたまたま耳にしたサンプル数の少ない感想を拡大させているだけだと感じました。日本人の国民性としていまだに揺るがないのは、外国の人に認められるとうれしい、という発展途上国じみた劣等感です。アメリカ人はオランダ人に褒められても「やった、オランダ人がいいと言ってくれた」と喜ぶことはありません。つねに想定しているマーケットが『世界』だからです。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。