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マディソン郡以外の郡:博士の普通の愛情
『マディソン郡の橋』という小説がある。映画にもなったし、ラブストーリーの傑作だという人もいる。僕はまったくそう思わないんだけど、それは誰に感情移入するかということに関わってくるからだろう。物語は呆れるくらい単純で、今ならTwitterの140字の投稿に収まってしまうかもしれないと思えるほどだ。
まず、マディソン郡。アメリカの地理に疎い人でも、NYやLAみたいな都市ではなく舞台は田舎なんだろうということがわかる。そこに住む平凡な主婦。主婦なんて大多数は平凡だし、もっと言うと人間の9割9分は平凡だ。平凡で実直な旦那がふたりの子供を連れて出かけている間に町にやって来たカメラマンの男に惹かれる主人公フランチェスカ。娘はこの短い夢のような四日間が自分の母親に存在したことを、死後知ることになる。
シンプルに聞いてみたい。皆さんは自分の母親の恋愛沙汰(それも不倫)を大人になってから知りたいだろうか。それが美しいものだったと感動できるだろうか。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。