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くだらない会話をする人々:Anizine

「さっき、嶋津さんとTwitterのスペースで話したよ」
 「『X』の『ライブ』な」
「いちいち、新しくなった用語を使いたがるなよ」
 「じゃあ、お前は今でも、JRのことを国鉄と呼ぶんだな」
「言わないよ、JRになってからもう36年経ってるだろう」
 「じゃあ、どの時期に切り替えたんだよ」
「記憶にございません」
 「それはロッキード事件だから47年前だな」
「そこから考えると30年以上経つと言わなくなるってことでいいかな」
 「いいんじゃないかな」

「ソーシャルメディアで起きる『痛々しさ』の話をしたよ」
 「どんな内容なの」
「たとえば見栄をはる人のこととか」
 「ああ、そういう痛々しさのことね」
「Facebookとかで、見たことあるだろ」
 「午前中だけで25回くらい見るね」
「それをプロジェクターに映してトークイベントをやりたいね、と」
 「意地が悪いなあ」
「たとえば、高級な和食屋さんに行った人が、どこの店に行ったとは書いてないんだけど、ちょっとだけ箸袋に書いてある店名を写真に写しているとかな」
 「あるある。コーヒーを飲んでいるテーブルにフェラーリの鍵がさりげなく置いてあるとか」
「全然、さりげなくないけどな」
 「そういう痛々しさね」
「うん。そういう投稿をプロジェクターに映しながら、逐一説明していくイベント」
 「行きたくないなあ」

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436字

Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。