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フランスで英語:エジさんが来る
アメリカ人のエジさんは今日も喫茶店『ボストン』へ。マスターがカウンターの奥で何やらメモをしています。
「マスター、おはようございます」
「いらっしゃい。昨日まで店を閉めていてごめんね」
「どうかしたんですか」
「パリに遊びに行っていたんだよ」
「いいですね、パリは私が一番好きな都市のひとつですよ」
「英語っぽいなあ。日本では一番、と、ひとつは一緒には使わないから」
「Paris is one of my favorite cities. ならいいですかね」
「それならいい」
「これとまったく同じ話を先週もしましたよね」
「した。スミマセン!」
「どうでしたか、パリは」
「いつもと変わりませんね。おそらく19世紀から変わってないと思う」
「ですよね」
「周りがみんなフランス語を話しているでしょう、そのときふと『日本語だ』と思ったことがあった。内容がわかったから」
「へえ。日本人観光客ですか」
「それが違うんだよ。英語だったんだ」
「本当ですか」
「あまりにもフランス語が理解不能だからさ、英語が聞こえてきた瞬間に日本語だと勘違いした」
「マスター、それはすごいことですよ」
「でしょ。ちょっと今までの勉強の成果を感じたわ」
「で、自分でも話せましたか」
「まあまあかな。でも相手が英語で話すことはほぼわかったし、思っていることの7割くらいは話せたよ」
「やりましたね」
「アメリカに行ったりすると違うんだろうけど、英語を母国語としない人の英語はかなりわかりやすかった」
「いいですね。徐々に慣れていけばいいですよ」
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。