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アニメ制作市場が3000億円を突破したらしい:アニメニュースまとめ#8

今週もアニメ関連ニュースを解説していきます。


今週のホットトピック:アニメ制作市場、初の3000億円突破 過去最高を大幅更新 『すずめの戸締まり』など映画の相次ぐヒットが追い風 動画配信向けも好調

アニメ市場には広義と狭義の2種類があります。広義の意味でのアニメ市場は、グッズやイベントなどを含めた「製作(プロデュース)」の市場で、狭義の意味でのアニメ市場は「アニメ制作(ディレクション)」の市場です。

本記事で紹介されている市場は「アニメ制作」の方で、これが3000億円を突破したとのことでした。

しかし、これは実にささやかな報道でして、広義の意味でのアニメ市場は、おそらく来年には3兆円を突破する見込みで、そう考えると売り上げ全体の10%しかアニメ市場に落ちていないことになります。

また、前年比22.9%増の3,390億円にまで急成長した理由として、『すずめの戸締まり』を代表する劇場版アニメのメガヒットが挙げられています。ということは、有名IPを制作できていないマイナーなアニメスタジオとの格差が広がっている可能性もあります。

鍵を握るのは、やはり有名IP保有によるライセンス収入ですが、これを解決するには政府が製作委員会方式に介入して、一定のロイヤリティルールを期限付きで設定するしかないでしょう。

<アニメータースキル検定>「このままでは手描きアニメが消えてしまう」 現場レベルの改革と健全化を目指す

ついに日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)のアニメータースキル検定の応募がスタートしました。

本記事でも述べられている通り、近年のアニメ作品の品質向上は撮影や3DCGによるところが大きく、手描き作画そのものについては大きな変化がないどころか、スタジオジブリの解体と京アニ放火殺人事件の影響で、クオリティが低くなっているという見方もあります。

アニメータースキル検定が普及し、取得までのラーニングシステムが普及すれば、人材不足を長期的に解決できるかもしれません。

文化庁、メディア芸術ナショナルセンター整備に向け予算要望 9300万円計上

準備委員会の名簿を見る限り、ここで言う「メディア芸術」とはアニメーションやマンガのことを指すのだと思います。

最近、ビジネス系動画メディア「ReHacQ」で村上隆が登場していて、その中で「日本の漫画文化がとてつもない価値になる」と言及されていました。動画内でもありましたが、たしかに今となっては、鳥山明先生の描いた孫悟空は特別な意味があります。

そういった点を理解し、長期的なアートの保存と振興のために、メディア芸術ナショナルセンターが設立されるのであれば、この上なしですがどうでしょう?

国内玩具市場が初の1兆円突破、TCGやプラモ・フィギュア好調

7月に発表されたデータにはなりますが、日本の玩具市場の規模が1兆円を超えたようです。その牽引役はトレーディングカードとのこと。最近の秋葉原を見ていると、まるで金品ショップのようなカードショップが乱立していますが、これは金融緩和による影響が大きいと私は考えます。言わばNFTみたいな。

世界に羽ばたく日本のアニメ・マンガ 躍進の背景と忍び寄る“危機”とは

急成長を遂げているように見えるアニメ業界ですが、人材不足という絶対的な問題があることから、常に危機と隣り合わせの状態が続いていることが指摘されています。これはすぐに解決できる問題ではありませんね。

世界に誇る日本のアニメが抱える憂鬱 消費され疲弊する状況からの脱却へ 石川和子 日本アニメーション

とにかく人材が増えません。なぜなら報酬が低いからで、これを根本的に解決する必要があります。

「もっと世界で輝ける」ガンダム育ての親とTikTokが描く、日本アニメの超発展シナリオ

よく「欧米のカルチャーは20年遅れて日本にやってくる」と言われることが多いです。本記事にもある通り、海外でウケる音楽はメロディーを重視したダンスミュージック調の楽曲で、ようやく日本でもそういった曲が増えてきています。そしてこれに加えて「低音」も重要でしょう。

〈全日セトリ〉アニソンの祭典「アニサマ2024」終幕―総勢60組170名が出演、驚きあり感動ありの3日間

私自身、2022年度からアニサマに参加するようになりましたが、相変わらず最高でした。特にDAY1の有名曲のオンパレードは凄かったですね……。

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