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アニメーターの低賃金を解決する方法①:労働組合の強化

アニメーターの低賃金を解決する方法として、挙げられるのが労働組合の強化です。

日本の代表的な労働組合としては、東映動画労働組合が挙げられますが、中小のアニメ制作会社で労働組合を結成しても、賃金交渉力を高めることができない現状があります。

それに加えて、業界全体の一貫した労働組合が結成されていないため、賃金交渉は各フリーランスのアニメーターに委ねる形に。結果として、労働基準法で定められている労働環境以下の待遇になっている現状があります。

逆に言えば、アニメーター全体の労働組合を結成できれば、アニメーターの賃金問題を業界全体で解決できる可能性があります。その際は、フリーランスのアニメーターや中小企業に所属するアニメーターを加入させることが極めて重要です。

ただし、これは非常に難しいテーマだと言えます。まず、多くのアニメーターは、労働組合関連の活動に使える時間がありません。それに加えて、多くのフリーランスのアニメーターをどのようにまとめ上げるかも難しい問題です。

とはいえ、アニメーターの労働組合を結成できれば、ひとまず「労働基準法」以上の労働環境を確保することは可能なはずです。算出方法は簡単で、新人アニメーターの動画1枚あたりの制作時間を算出し、それを最低賃金に当てはめるだけです。

大体、新人アニメーターは月に動画を300枚描くのを前提とすれば、それを元に最低賃金を算出できます。2024年6月現在、東京都の最低賃金は「1,113円」なので、所定労働日数(20日)と労働時間(8時間)をかけると、月給は178,080円です。そしてそれを動画300枚で割ると593.6円なので、それを賃金交渉の材料にします。現在、動画単価は1枚あたり200円から400円が相場だと言われているため、それに比べると593.6円という数字は非常に大きいと言えるのではないでしょうか。

どちらにせよ、この計算を材料にして、声を上げる力が大きくなれば、ほぼ間違いなく、アニメーターの労働環境を「労働基準法」の範囲内にまで押し上げることが可能になるはずです。

一方で、良くも悪くも「労働基準法の範囲内」なので、労働組合の結成だけでは、それ以上の労働環境を確保することができません。次回に続きます。


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