【ペット系サービス代表の小話】#10 動物の生体販売について Part3
この連載も早いもので10回目です。毎回読んで頂いている方、ありがとうございます。
今日もペットを飼っていない人にぜひ読んで欲しい記事です。
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獣医師からは言いずらい、獣医師は教えてくれないコトを世の中に伝えていきたいな、なんて思っています。
今週のテーマは、【動物の生体販売について Part3】です。
今回は「極小サイズ犬種について」です。
ペットショップやブリーダーは色々な犬種を取り扱っていますよね。
ドーベルマンが欲しい、ダルメシアンが飼いたいなど、犬種を絞って新しいペットを探す人も多いと思います。
そもそも犬種ってなんなんでしょう。
犬種のでき方は2つあると言われていて、
1つは、「イヌ」の起源であるオオカミからの進化。世界各地にいたオオカミが環境・気候に併せて自然に進化して新しい種類のイヌが出来ていったと言われています。柴犬・ハスキー・ハウンドなどです。
もう1つは、人間が影響している進化。主に1次産業に従事する人間が、狩猟・農業・牧羊などそれぞれの産業の中で活躍した個体同士を交配して、自然な流れで「レトリバーなどの狩猟補助に向いている種類」「コーギーなどの牧羊で活躍する種類」などのイヌが出来ていきました。
犬の種類が増えてきた頃、1800年代後半のイギリスでは「犬種」をしっかり定義して「犬籍」という犬の戸籍を発行するなどした上で、特定犬種の純血種の管理をし始めます。日本では、1900年代中盤に世界中の700~800犬種の内の約200種類がジャパンケンネルクラブという組織に登録され、「犬種標準」が定められています。
「犬種標準」というのは、例えば柴犬なら、「小型でよく均整がとれており、骨格がしっかりとして、筋肉がよく発達している。」「性格は忠実で、感覚鋭敏、警戒心に富んでいる。」「体高はオス:39.5cm メス:36.5cm
それぞれ上下各1.5cmまでとする。」という感じ。標準的な(理想とする)外観やサイズが規定されています。
サイズで言えば、成犬になっても犬種標準に達しなそうな個体は失格(犬種認定できない)となるわけですが、実際にはそういう個体も販売されています。
最近良く話題に上がるのが「豆柴」と「ティーカッププードル」です。
どちらも正式な犬種ではありません。純血同士から生まれてきたにも関わらず、犬種標準に満たないような極めて発育不良なサイズの個体を「豆柴」「ティーカッププードル」などという商品名をつけてブランディングをして販売しているに過ぎません。
プードルはスタンダード>ミディアム>ミニチュア>トイの順で、体高23cm以上の個体は標準犬種認定されますが、それより小さい個体が「ティーカッププードル」として扱われます。
獣医師と話していると、生まれつき発育不良な個体は成犬になってもちょっとしたことで骨折しやすかったり、慢性疾患になりやすく寿命が短かったりするという話を聞くこともあります。
小さい犬から愛くるしさを感じる気持ちは分からないこともないですが、私としては犬種標準を満たす個体を飼育する方が飼い主にとってメリットが大きいと考えます。
純血の犬種にばかり触れてきましたが、最近はマルプーやチワックスなどのミックス犬が流行っていますよね。ミックスは「異なる種類の純血同士から人工的に交配された個体」のことで、先祖の犬種がよく分からない「雑種」とは言葉の意味が異なります。(言葉の区別、意外と知らない人も多いのでは?)
ミックス犬についての研究はまだまだ未発達ですが、近親同士での交配・乱繁殖で生まれる純血種よりかは、犬種特有の遺伝病にかかりづらいという考え方もあります。純血よりかミックスをオススメしている獣医師とも会ったことがありますよ。
これからペットを飼育する方の犬種選びの一助になれば幸いです。
はい、今日はここまで♪
次回、【5月11日】は【ブリーダーの選び方】をテーマに掲げます。(テーマは変更するかもです。)
お楽しみに!