#アニメてにをは

元ジブリ。『もののけ姫』演出助手『となりの山田くん』企画準備。アニメーターじゃないです…

#アニメてにをは

元ジブリ。『もののけ姫』演出助手『となりの山田くん』企画準備。アニメーターじゃないです。2021年『熱風』にて論考「アニメの『てにをは』事始め」を1年間連載。宮崎駿さんからつけられたあだ名は「逸材くん」。X(@animeteniwoha) 本名は石曽根正勝です。

マガジン

  • ジブリ私記 シーズン2

    ジブリの回想記だよ。16回目から30回目が収録されています。

  • ジブリ私記・シーズン1

    ぼくの知っているジブリのことを書きました。

  • togetter~アニメてにをは つぶやきまとめ集

    ツイッターでつぶやいた独自のアニメの見方「アニメてにをは」をまとめたものへのリンク集です。 『魔女』『千』はほぼ全画面分析がお楽しみいただけます。

  • アニメの新しさ@2023

    論考『アニメ「てにをは」事始め』が雑誌『熱風』に発表されてから2年。2023年度に考案した新しいアニメ「てにをは」考察です。

  • ジブリのてにをは~基礎講座シリーズです

    ジブリ作品を楽しむための、アニメの基礎的表現について説明していきます。

記事一覧

スタジオのレイアウト・地政学~ジブリ私記18

 今回は、プロデューサーの鈴木さんのことを書いてみよう思ったけれど、書き終わってみたらとんだ脱線をしてしまい、その脱線を活かすために大幅に書き直した記事がこれで…

姉に電話したら姪っ子が内定式に出ているという話になり、あとでローカルニュースを見てたらやはり内定式の話が出た。10月1日、今年も下半期。そういう季節なのか。
そうだあれを書こう。ジブリ入社式の顛末。儀式を不謹慎に扱うと後が痛い。そんな話。乞うご期待。

ぼやき~私記(番外)

 ジブリには連載持たせてもらった恩義がありつつ、しかしあの給与明細はいずれ表にしたかったのも確かで……失敗したなと思ったのは、あの明細を出したぼくの真意が一切ぶ…

巨匠との寿司(その1)~ジブリ私記17

 たまにはたわいのない話でも書いてみよう。  巨匠と寿司の話である。  たまたまだが、ぼくは宮崎駿と高畑勲、それぞれと寿司を食べに行った経験がある。  宮崎さんと…

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こんなことを

こんなことをXでつぶやいている。ノートとしても聞き逃せぬ。

19

宮崎駿と同じ夢を見る~ジブリ私記16

 この回想録はぼくがジブリで働いてころのことを書いていく、つづきものの記事のひとつです。  いままで書いてきたものはこちら【   】。  はじめて読むひとに向け…

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ボーナストラック~ジブリ私記15

 気づいている方も気づいていない方も、このノート(note)にはマガジンという名の「記事を束ねる機能」がついていて、ぼくの目安では15本前後でひとつのマガジンとして…

300
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仕上げのエプロン~ジブリ私記14

 あれはいつからだろう。  宮崎さんがエプロンをつけて作業しているのは。  少なくとも『もののけ姫』のころは着用していなかった。  逆にぼくは『もののけ姫』のころ…

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ご指名を受けて~ジブリ私記13

★すでに実力をつけたスタッフが口約束だけでスタジオを渡り歩き、ジブリに出入りするのは珍しくないだろう。  そういう意味では、れっきとした新入社員(正規社員)であ…

12

あまりに地味で、あまりに長く~ジブリ私記12

 少しジブリから離れた回想をまずは始めました。  最終的にはジブリの話に戻りますが、さらにそこから逸脱してぼくがいま関心を持ちつつある「アニメ原論」の話へと発展…

11

この私記はどれだけ無視されようと最低100話は続ける覚悟でしたが、少しずつ具体的な読者、具体的なアクションが出てきました。うれしいことです。
いま私記は1クール目。15回で1クールにする予定です。その15回目はちょっとイタズラを仕掛けようと思います。お楽しみにしていてください。

10

反ジブリ、反クライスト~私記11

 ぼくはジブリの若手演出塾『東小金井村塾』で塾長の高畑勲にかみつくように討論を挑んだ。その果敢さがスタジオにも広がり、宮崎駿はぼくをスタジオに雇い入れることにも…

10

いろいろな暴露~ジブリ私記10

 ジブリが発行している雑誌(フリーペーパー)『熱風』に一年間連載をもたせてもらってからもう3年たっても、まったく反響ないまま終わったものだ。あれはどこかで書籍化…

10

踏み外して~ジブリ私記(9)

★01  最近は隔週で文章教室を受講するために東京と松本間を日帰り往復している。教室が開かれる前にちょっと時間をあけて東京に着いて、必ず書店とタワレコに立ち寄る。…

10

ジブリの幻影くさぐさ~私記8

 ぼくがこの私記を書いていくことで実現したいことのひとつに、あのジブリの給与明細のことがある。事情を知らないひとは、ぼくの名前を検索すれば給与明細の画像が出てく…

11

③売らんかな、は結構ラクなんですよね。何書けば当座の注目を集められるか、とか。だからそういうの関係ないんです。むしろ意地悪な人たちの目論見をかいくぐって最後まで=気が済むまで、書き終えることが目標です。

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スタジオのレイアウト・地政学~ジブリ私記18

スタジオのレイアウト・地政学~ジブリ私記18

 今回は、プロデューサーの鈴木さんのことを書いてみよう思ったけれど、書き終わってみたらとんだ脱線をしてしまい、その脱線を活かすために大幅に書き直した記事がこれである。
 鈴木さんのことを書こうとして、なんとなく鈴木さんのスタジオでの居所であった「金魚鉢」のことを書こうとした結果、興味の方向がそのままスタジオのレイアウト・配置図へと向かってしまった。
 結果的に「スタジオの地政学の必要」を訴えるよう

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姉に電話したら姪っ子が内定式に出ているという話になり、あとでローカルニュースを見てたらやはり内定式の話が出た。10月1日、今年も下半期。そういう季節なのか。
そうだあれを書こう。ジブリ入社式の顛末。儀式を不謹慎に扱うと後が痛い。そんな話。乞うご期待。

ぼやき~私記(番外)

 ジブリには連載持たせてもらった恩義がありつつ、しかしあの給与明細はいずれ表にしたかったのも確かで……失敗したなと思ったのは、あの明細を出したぼくの真意が一切ぶっ飛んでしまう(というか、ツイート自体が説明不足だった)形で炎上してしまったことです。 でも削除するつもりは(いまも)全然なくて、あれでジブリに迷惑をかけたことに対する帳尻って何なのかな?って炎上以来考えてましたね。

 だから本当は、回想

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巨匠との寿司(その1)~ジブリ私記17

巨匠との寿司(その1)~ジブリ私記17

 たまにはたわいのない話でも書いてみよう。
 巨匠と寿司の話である。
 たまたまだが、ぼくは宮崎駿と高畑勲、それぞれと寿司を食べに行った経験がある。
 宮崎さんとは、ぼくがまだ新人ほやほやのころに寿司に連れていってもらった。
 しかし記憶がいまいちあやふやだ。
 宮崎さんが3億円だかの税金を支払いに行ってきた帰りだったのか、それとも「トトロの森」に3億円だかを寄付してきた帰りだったか、忘れてしまっ

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こんなことを

こんなことをXでつぶやいている。ノートとしても聞き逃せぬ。

宮崎駿と同じ夢を見る~ジブリ私記16

宮崎駿と同じ夢を見る~ジブリ私記16

 この回想録はぼくがジブリで働いてころのことを書いていく、つづきものの記事のひとつです。
 いままで書いてきたものはこちら【   】。

 はじめて読むひとに向けてあらすじを書いてみると、ぼく・石曽根正勝は、宮崎駿に誘われて1996年の春にスタジオジブリに入社した。面接や入社試験を受けたのではなく、宮崎駿本人から個人的に誘われてジブリに顔パスで入社したのだ。
 なぜそういうことが起きたのかと興味を

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ボーナストラック~ジブリ私記15

ボーナストラック~ジブリ私記15


 気づいている方も気づいていない方も、このノート(note)にはマガジンという名の「記事を束ねる機能」がついていて、ぼくの目安では15本前後でひとつのマガジンとしてくくったらどうかと考えて、書き続けていました。
ひとつのマガジンとしてそれ以上の数の記事を入れ込むと、ボリュームが大きすぎるような気がしますし、書き手の自分としても目標としてひと区切りにできる(=頑張れる)のは15本が精一杯かなという

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仕上げのエプロン~ジブリ私記14

仕上げのエプロン~ジブリ私記14

 あれはいつからだろう。
 宮崎さんがエプロンをつけて作業しているのは。
 少なくとも『もののけ姫』のころは着用していなかった。
 逆にぼくは『もののけ姫』のころ、いま宮崎さんが着用しているのと同じタイプのエプロンを着けて作業をしていました。
 なにか関係があるのかな?

 ぼくが『もののけ姫』制作時、エプロンを着用するようになったのは、入社最初の3ヶ月間が研修期間で、作画、仕上げ、撮影へと回った

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ご指名を受けて~ジブリ私記13

ご指名を受けて~ジブリ私記13

★すでに実力をつけたスタッフが口約束だけでスタジオを渡り歩き、ジブリに出入りするのは珍しくないだろう。
 そういう意味では、れっきとした新入社員(正規社員)でありなら、試験も面接も一切受けず、いわばフリーパスの状態でジブリの採用の門をくぐった者は珍しいかもしれない。
 ぼくは村塾が終わった年末に宮崎さんから電話をもらい(留守電だった「あ~、宮崎です。電話ください」とだけあった)、ジブリに行ってみる

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あまりに地味で、あまりに長く~ジブリ私記12

あまりに地味で、あまりに長く~ジブリ私記12

 少しジブリから離れた回想をまずは始めました。
 最終的にはジブリの話に戻りますが、さらにそこから逸脱してぼくがいま関心を持ちつつある「アニメ原論」の話へと発展していきまいた。
 この全体(3部構成)の全部に興味を持つひとはいないでしょうが、とりあえず公開してみます。

★01~テレビの現場を見て
 ぼくが進学の決まっていた大学院を蹴ってジブリに入社することが決まるや、両親は戸惑ったらしい。
 母

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この私記はどれだけ無視されようと最低100話は続ける覚悟でしたが、少しずつ具体的な読者、具体的なアクションが出てきました。うれしいことです。
いま私記は1クール目。15回で1クールにする予定です。その15回目はちょっとイタズラを仕掛けようと思います。お楽しみにしていてください。

反ジブリ、反クライスト~私記11

反ジブリ、反クライスト~私記11

 ぼくはジブリの若手演出塾『東小金井村塾』で塾長の高畑勲にかみつくように討論を挑んだ。その果敢さがスタジオにも広がり、宮崎駿はぼくをスタジオに雇い入れることにもなった。
 あれから四半世紀を経て、宮崎さんがぼくを雇い入れた企みとぼく自身の意気込みはすれちがっていたと言わざるをえない。
 宮崎さんは「ちょっと生意気な、見込みのあるやつ」ぐらいな気持ちで雇ったのだといまなら思う。自分にはかなわないと終

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いろいろな暴露~ジブリ私記10

いろいろな暴露~ジブリ私記10

 ジブリが発行している雑誌(フリーペーパー)『熱風』に一年間連載をもたせてもらってからもう3年たっても、まったく反響ないまま終わったものだ。あれはどこかで書籍化しておいてもらいたい気持ちはあったものの、どこも引き受けてはくれないだろう。事の成り行きで昔のジブリの給与明細の画像をネット上でさらしてしまった。あれにはもちろん理由があるのだけれど、それは今はおいておいて、ジブリに対してあんな真似をしてし

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踏み外して~ジブリ私記(9)

踏み外して~ジブリ私記(9)

★01
 最近は隔週で文章教室を受講するために東京と松本間を日帰り往復している。教室が開かれる前にちょっと時間をあけて東京に着いて、必ず書店とタワレコに立ち寄る。めぼしい本もすぐ買わず、記録しておいて、松本へ帰ってから地元の図書館や大学図書館にないか、確認する。なにしろチェックしているのは学術書なので、3000円は平気、6000円とかある。ネットで情報を集めたり、図書館で現物を確かめておかないと、

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ジブリの幻影くさぐさ~私記8

ジブリの幻影くさぐさ~私記8

 ぼくがこの私記を書いていくことで実現したいことのひとつに、あのジブリの給与明細のことがある。事情を知らないひとは、ぼくの名前を検索すれば給与明細の画像が出てくるはずだ。ぼくの名前は、ネット上ではジブリの給与明細と深く結びつくことになった。あれを流通させた当時ぼくは、ジブリの給与の額さえ伝えればあとは見たひと次第の解釈にゆだねればいいと楽観的だった。
 しかしあの給与明細はもっともっと知られていい

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③売らんかな、は結構ラクなんですよね。何書けば当座の注目を集められるか、とか。だからそういうの関係ないんです。むしろ意地悪な人たちの目論見をかいくぐって最後まで=気が済むまで、書き終えることが目標です。