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【AIショート】賢い馬鹿たちの会議

あるところに、「賢い馬鹿たちの会議」が開催された。参加者は、過去の栄光を誇る重鎮から、若くして頭角を現した利己的な若手まで、百花繚乱の面々だ。

まず、年長の重鎮が大きな声で言った。「時代はやっぱり我々が知っている昭和のままが良かった!何もかも変わらなくて済むじゃないか!」と。しかし、若手の一人が反論する。「今はデジタル社会ですから、もっと新しい価値観に適応しないと!」

そこで、司会の「賢い馬鹿の代表」が、思い切って議題を投げかけた。「皆さん、真に困っている人々をどう支えるか、考えてみませんか?」

会場が一瞬静まり返った。すると、一人が手を挙げて「困っている人を助けるなんて、いいですねぇ。でも、自分の生活も大事ですし…」とつぶやく。他の参加者たちも頷いて、誰も具体的な案を出せずにいる。

「それでは、こうしましょう!とりあえず困っている人たちには頑張ってもらって、我々は昭和の良さや自分たちの利権を守る努力をしましょう!」と、重鎮が再び提案。賢い馬鹿たちはその案に賛同し、笑顔で拍手を送った。

しかし、部屋の片隅にいた若者が一言。「皆さん、それじゃあ社会はいつまでも進歩しないじゃないですか?」と真剣な顔で問いかけた。しかし、その声はすぐに拍手にかき消され、会議はそのまま終わった。

外に出た若者はつぶやいた。「賢い馬鹿たちの会議には、僕の居場所はないかもな」と。

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