シン人類コラム『寺子屋の復活 ― 和の心を取り戻す学びの場』
序章:答えなき問いと「無知の知」
現代社会において、算数や物理学のようにルールやプロトコルが明確な分野以外では、結論が出ることは稀である。哲学や道徳における問いは、特にその傾向が強い。にもかかわらず、多くの議論は自分に都合の良いところで切り上げられ、本当の意味での「心理」には到達しないまま終わってしまう。
この問題を解決する鍵となるのが、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが提唱した「無知の知」である。自分が知らないことを自覚し、他者と共に学ぶ姿勢がなければ、議論は単なる自己主張