古代ギリシャ語の帯気音φ, θ, χの話(3) 発音の革命的な練習法について
始めに
ギリシャ神話を読むために
第1話と第2話では古代ギリシャ語の帯気音φ, θ, χ /pʰ, tʰ, kʰ/の性質を「他の音との共通点と相違点」などの面から体系的に解説してきた。
今回はそんな帯気音の実践的な習得方法について語っていきたい。
私が考えた独自の方法だが、そこには音声学的な根拠がある。
これまでに語ってきた「音は属性の組み合わせによって分類できる」という事実を踏まえれば理解への道は近いだろう。
中国語、韓国語、タイ語などの習得にも応用できる方法であり、第4話で語るように実は英語でもpin, tub, kinのようなアクセントのある音節頭のp, t, kは帯気音に近くなるため、英語学習にも活用可能である。
古代ギリシャ語のφ, θ, χ――ラテン文字でph, th, chと写される文字の音価が確かに帯気閉鎖音[pʰ, tʰ, kʰ]だったという根拠は第5話で詳しく示す。
第6話ではギリシャ文字の歴史、古代ギリシャ語の方言碑文、比較言語学、そして言語類型論の観点からこの練習方法が有効である理由をさらに詳しく語ることにしたい。
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