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旅の詩/休息

休息

シバ寺院の石段を登りつめ
腰かけて
ダルバール広場を見下ろしている
行き交う人を眺めるでもなく

風は吹いたり止んだりするが
吹く時はいい風が吹く

帆を下ろして
待っているのです
あなたが動き出すのを

「私は靴の修繕屋です」

捨てるつもりで履いてきた
FILAのスポーツサンダル
ちぎれたところをつないでもらった
縁ですか
まだ歩けるのだ

1997年8月

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