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中沢康彦『本が会社を強くする 教科書経営』日経BP を読みました

「ビジネス本なんて、唾棄すべきジャンルだよね」と若い頃は思っていました。「こんなもん読まなくても仕事くらいできるだろうよ」と。
でも、子どもが生まれて、遊んでる場合じゃないな仕事頑張ろうと思い直し、手始めにビジネス本を読んでみることにしました。
それ以来、約18年、年間20冊ほど読むようになってしまいました。もちろん、若気のいたりにも気づき・・・(つづく)

本題に入ります。

概要

ビジネスに行き詰まった人、これからビジネスの悪路をつき進もうという人が本書を読むことで、ちょっとした「道しるべ」を得ることができます。
その「道しるべ」は、「自分自身の経営の教科書を見つけて、読んで、書いている通りにやってみよう」というものです。

カリスマ経営者が自分の好きな本を紹介しています。総計76冊。

例に漏れず、星野リゾート・星野佳路氏の登場ですが、僕としてはワークマン専務・土屋哲雄さん、エレコム会長・葉田順治さん、カブクスタイル代表・砂田憲治さんの話が面白かったです。

紹介されている教科書は、マーケティング、ブランディング、組織論、リーダー論、人生論、中国古典と多岐にわたっていますので、自分の気になった本をポチッとしてみてはいかがでしょうか。僕は、中川政七商店・中川政七会長が紹介していたバイロン・シャープ『ブランディングの科学』を購入しました(積ん読中)。

以下、メモをもめ

星野氏:インターネット時代にマーケティングがどう変わるのか、販売促進策がどう変わるかには強い関心があります。しかしこの分野は変化が激しく、何が定石になるかまだ混沌としており、なかなか教科書となる本がありません。
例えばSNS(交流サイト)について、「いいね」の数が利益にどう関係しているのか、どうして大事なのか、いくつまで集めればいいのか、分かっていません。
(・・・)
いずれ「SNSマネジメント」が体系化するかもしれませんが、まだ成功パターンを模索する段階だと思っています。ホームページの在り方も同じです。(星野リゾート代表・星野佳路氏)

(P.024)

つまり、星野佳路氏をして、SNSやホームページの分野にはまだ教科書はない(ちゃんとした研究成果がない)、と言わしめる状況だということです。

情報には価値がありますが、データはその原石に過ぎません。ダイヤモンドとその原石が違うように、データは確かに大切なのですが、そこから価値を生むにはデータを磨いて情報にする必要があります。(刀代表取締役CEO・森岡毅氏)

「変化はコントロールできない。できるのは変化の先頭に立つことだけである」ピーター・ドラッカー『明日を支配するもの』より(日本交通会長・川鍋一朗氏)

(P.110)

(・・・)そして、カブクスタイルは2022年からハフというブランドを表記するとき、同時に「旅のサブスク」という表記を入れることを徹底するようになった。
砂田氏は「(略称である)ハフは固有名詞であり、ここには特別な意味がない。しかし『旅のサブスク』という言葉を併記することによって、ハフという言葉に広く旅行、サブスクというイメージを付けることができる。こうしてブランド・エクイティを積み上げていく」と説明する。(カブクスタイル会長・砂田憲治氏)

(P.191-192)

例えば、コトラー氏が提唱し始めた「ワン・トゥ・ワン(One to One)・マーケティング」。これは顧客満足度を高めるためにそれぞれの顧客に合わせて個別のマーケティング施策を行うことを指している。「顧客ごとに異なるニーズに応えることの大切さ」は、吉田氏が留学中にコトラー氏から学んだことの1つだった。(YKK相談役・吉田忠裕氏)

(P.221)

「木を見て森を見ずではだめで、問題の本質を捉えなければ課題は解決しない。通販で言えば、ボトルネックの究明が足りていないものは売れない」(・・・)「うまくいかない現状を受け入れ、ボトルネックをずっと探し続けた。それはいわば『ボトルネックを探す旅』だった」(ジャパネットたかた創業者・高田明氏)

(P.244)

いろんな経営者の方々とお話ししているような気がして、楽しい読書体験でした。

必要としている時に必要を満たす本に出会えたら、あなたはラッキー。本に限らず出会いとはそういうものですが、それもある程度求め続けていなければ、出会うこともできません。
そんなにガツガツせずとも、時たまこんな本を読んで出会いを求めてはいかがでしょう。

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