「百年の孤独」諸行無常だが愉快!南米版の平家物語
コロンビアの作家、ガルシア・マルケスさんの作品で、ノーベル文学賞を受賞し、世界で売れまくった作品です。Netflixで実写化されることとなって再び脚光を浴び、日本でも売れまくってるということで、7月くらいからちびちび読み進めてました。
よくわからない。読むのしんどい。という意見もありますが、この作品の魅力は普通に読んでも気づかれない。以下はネタバレ含むのでご注意を
超簡単にどんな話かをまとめると(^.^)
冒頭は後にマコンドと言われる街の開拓と開拓した夫婦をメインとしたお話から始まります。やがて街は大きくなり、胆っ玉母ちゃんの家族のまとめ役的なウルスラ、その息子、政治的野心で戦乱に生きるアウレリャノ、自由で放蕩のホセ、恋はするけど生涯独身でも優しいけど壁食うのが好きな変態女史のアラマンタ、世代は代わりモテ子だったけど死なずに天に消えたレメディオス等々、世界のキャラクタータイプをだいたい網羅してるのではないかと思うくらい登場人物は個性的で多彩、幽霊やら錬金術も登場してなんだか不思議もてんこ盛りです。
( ゚д゚)
そんな一族やら変わった人々それぞれの人生が、革命運動、戦争やら災害やらに翻弄されながら、ひたすらこの子がああしてこうしてこうなったみたいな悲喜こもごもな感じで淡々と語られて最後は一族も街もやがて衰退して砂になってしまいました。おしまい!夢も希望もないバッドエンド!否!ハッピーでもバッドでもない普通っぽいエンド
:(;゙゚'ω゚'):
え!おもしろいと聞いたけど何がおもしろいの?って思うかもしれません。
ここからは私の感じたこと(p_-)
なぜ百年の孤独なのか?
どんな生き方をしても、どんなに欲を満たそうと心から満たされている人はいない。死ぬ時に「あー良い人生でした!」みたいな人は一人も出てこない。死に方が劇的でカッコいいみたいなキャラも0!あれ?って感じでいつの間にか死んでます。死因すらよくわからない。共通しているのは死ぬ時はなんだかみんな孤独なんです。あれっ?いつ死んだっけってくらいにサラッと死にます。
主要人物で、女とっかえひっかえ、他人の土地まで強奪するホセ君は絶頂期に謎の誰かに刺殺されて死にます。お兄ちゃん助けたり良いところもある男ですが、因果応報の最期です。血が俺ここだよとダイイングメッセージ的に遠い人のところまで流れていきます。
登場人物で最も善人のウルスラばあちゃんも100年超えて生きてもついには亡くなり、その頃生きてる人は、遺産狙う子孫やら、ばあちゃんを知らん人ばかり‥葬式も人が少なく寂しく死んでます。
実はあらゆる人が逃れられない1番しんどい運命は死ではなく満たされない心、孤独なのかもしれません。
10年後にせよ。数千年後にせよ。どんなに立派な人でも幸福だった人でも、時が経てばいたことさえ忘れられる。一族が築いたマコンドという1番の成果で立派な街も、100年の栄枯盛衰、開拓期、繁栄期、衰退期を経て、最後は跡形もなくなるバッドエンド
:(;゙゚'ω゚'):
実は、この物語のキャラクターにもう一つ共通なことがあります。今その瞬間生きることを諦めてる人は1人もいないこと。生きてる間は一生懸命に死んでたまるか!幸せになってやるぞ!って生きていく。その姿はなんだか美しいしカッコいい。
わたし達はどう生きるべきなんですか?どうせ死ぬのにさらには忘れ去られるのになぜ生きるんですか?私達はすぐこれを問いたくなります。
今をしっかり生きればいいじゃないですか。
٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
というか。それしかできないんだから、名声とか財産とか死んだら終わり!天国に持って行けないし、いずれは忘れられる。私達はもっと欲しいと思いながら、いずれ忘れられると知りながら、孤独と共に生きていくしかできないのです。孤独と共に生きるのが人間の運命であり使命です。
この物語だったら、誰の生き方があなたに近いですか。誰の生き方をすべきと思いましたか。あなたはこれから逃れられない孤独と共に、どう生きようと思いますか。なんだか、ガルシアさんにこう聞かれているような気がしました。
(^ω^)
この作品はある意味パロディーが混ざった平家物語な気もします。名作の評価があるからと難しく考えず、気楽に読んでみるのがいいと思います。
ではでは ♪( ´θ`)ノ