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現地と地図(原初舞踏とヌーソロジー)

今日公開されていたヌースクリップ。題して「現地と地図」だそうです。

ヌーソロジーでは超越論的に「存在」を掘り下げていき、自分がどこにいるのか、どこに向かおうとしているのか、自分は何者なのか、そういうことを思考を通して、それこそしっかりと道筋を追って、すべての人の了解の元に「存在」を定義できるように、空間であるとか、時間であるとか、無意識であるとか、宇宙であるとか、すべての関係性を構造的に解き明かそうとしているのだという事になります。そのことを指して地図を作っているとおっしゃっているわけです。

そして、かたや現地というのは身体性であり、個々の経験の世界であります。それについて半田さんが原初舞踏の最上さんの名前を挙げられて、現地に先に入っているのが最上さんと言えるかもしれないというような話をされていました。

しかし、その世界はまだまだチャレンジを必要とする領域ですから、地図があることで、現場では迷いがなくなるかも知れません。その地図がヌーソロジーが作ろうとしているものなのだということです。

無意識の領域に入り込んだとしても、今目の前に見えている空間の意味がわかっていたら、怖くないでしょうし、さらに奥に向かっての探検が容易になるのかも知れません。

僕自身、3年前に初めて最上さんの稽古に参加させていただいたときに、これはすごいと思いました。

僕自身、23歳の時からバリ島の踊りを始めて、その経験の中で見つめてきたこと、経験してきたこと、自分なりに身体において発見してきたことなどがあるのですが、それら断片的だった経験を一気につなげるような何かが、この原初舞踏の中にはありそうだということを感じたのでした。

そして、3年前にはすでにヌーソロジーのことも少し齧っていましたから、スローが微分であり、その結果素粒子の中に入っていくということは直観的にわかりました。そして、バリの踊りの中でも、同じような意識状態になったことなども振り返りながら、ヌーソロジーを少し学んだからこそ、このことの意味が、今ではわかるようになったのかも知れないと思ったのです。

その時に思ったことは、これこそが「器官なき身体」の意味だと言うことでもありました。ちょうど田んぼを辞めるというタイミングでもありましたから、これからこの原初舞踏の稽古をしながら、これからのことを考えていこうと思ったんですよね。しかしながら、タイミング悪くコロナの影響と言うことで、稽古場が休止となってしまいましたから、この3年弱ほどの間、自分の中ではなんとも歯がゆい時間を過ごしていたわけです。

でも、今年になって原初舞踏の稽古も再開され、あらためてまた具体的な現場に入るための稽古に参加ができるようになりました。本当にワクワクとした1ヶ月が過ぎたところです。そして今はいろいろな確認作業をしているところでもあります。

具体的にヌーソロジーの構造論についての知識を少し持った状態で、その現場に入ることができるということで、本当に楽しいんですね。また、そのようなスタンスで、昔やっていたバリ島の踊りを振り返ったときに、今だからこそできることという事もあると言うことを思いますし、とにかく今はあれやこれやと忙しく過ごしています。

ひとりでする稽古というのもとても大事なものですね。稽古場でやったことをうちでひとりでやるわけです。ときには自分なりにアレンジしてみたり、設定を変えてみたり、扱うものを変えてみたりすることで、おもしろい景色が見えることもあります。

いずれにしても、現場は常に目の前にある訳ですから、今やっていることはとても大事なことだという感覚でいます。

そう言えば、一昨日、ノートで書いた、ウミシダについての話のことが思い浮かびます。

ウミシダを見て、それを分析するということよりも、僕にとって真っ先にやってきた感覚は、ウミシダの中に入って、ウミシダに「なる」ということだったわけです。それは床稽古のときに、自分自身がゴジラが変態する前の芋虫のように感じたことにもつながることなんだろうと思います。

そして、前回の稽古の中では、立ち上がったときにひとりでに「笑い」がこみ上げてきて笑いが止まりませんでした。それは布袋さんが船の上で高笑いしているかのようでもありましたし、何か神話の世界の中にいるような気持ちになっていました。それを自分がやってるわけですから、なんとも不思議な気分でした。

そのたびにいろんな体験がありますが、ジャッジすることなく、過大評価することもなく、おもしろいなあと思いながら、起こることを受け入れていってみようと思っています。

先日は、スローをバリの扇を使ってもやりましたが、そこで見えた風景というものも、とても印象的でした。

いろんな経験がこれからできていくのかと思うと楽しみです。バリの衣装とか、お面とかもそのうち出してきてみようかと思います。特にお面は思い入れも深いので、それらと向かい合う時間というのは大事にしたいと思います。

まぁ、まだすぐにというわけではありませんけどね。お米の部屋を片付けて、占星術を絡めた仕事を立ち上げて、それに平行しながら、原初舞踏の稽古もやっていくというスタンスでいようと思います。

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