大きくなるほどに死に近づいていくから成長しないで
大丈夫だよって言われたら裏切られている気がした。
ぼくの生きた証が生々しいものであってはならないと思って虚言癖の演技してきた、ずっとずっと、誰にもばれないように。ぼくが愛しているぼく自身が、ぼく以外に絶対に愛されることがないように。
きみは、壊すべき自分を壊してきたから美しい。
ガーゼを取ったら目が合って、ずっとぼくはこの目とコミュニケーションを取っていたのだと、そこでやっと思い出す。
傷ついたふりしてれば自然治癒すると思っていた傷はずっと治らなくて、馬鹿にされている気がする。
困った時は連絡しておいでよ、なんてどうでもいい人にしか使わない台詞。
きみはそういう優しい残酷さをどれだけ腐らせずに持っている?
サブ垢で同じ携帯に生きるリア垢の自撮りに「かわいい」ってコメントした、死ねと思いながら。
愛が世界を救うなら、恋はきっときみを殺していい。
そう、言っている気がするのです、
電車の中に漂う「つかれた」たちが。
かわいそうを隠すためにイヤホンはあるね、孤独を隠してくれる、からっぽの耳を隠してくれる、からっぽの右側を隠してくれる。
ひとりなら、狂えばいい、しっちゃかめっちゃかに。
そうさみしそうに笑った少女は今はスーツという喪服に包まれた、ただの、おとな。