taxi
知らない駅に行きたい。都会のビルに打ち付ける雨が煩い、タクシーの緑色の表示はいつも送迎。誰も王子様がいないのねこの街は、ぼくみたいだ、少しずつ殺した幼さがぼくを襲ってくるとき、ああひとりでよかったと思うんだ。愛がないなら、話しかけるなよって、いつも思ってた。愛があるなら、もっとしつこくしろよって、いつも思ってた。ぼくが子供の頃は、秘密基地ごときの場所を誰にも口外しないくらい透明だったのに、社会がぼくを傷つけて、痛かった、忘れたきらめきなんてないって言いたいんですよそれだけなんですよ。浅いとか深いとかないのに鼻で笑うとかもったいないよ、ほら、見て、今日は星空がとってもきれい。
殺し屋の君へ