こんなぼくがきみを愛してしまってごめんなさい

ベランダで育ててたお花が咲いたよ、おみそしるつくるのちょっとうまくなったよ、きみが教えてくれた歌全部カラオケで歌えるようになったよ、きみが好きだったドラマ終わっちゃったね、お隣さんのねこちゃん死んじゃったよ。



水色が沸騰して消えた夜のことをぼくはずっと忘れない



きみのことを包んでたタオルケットも、きみが使っていた歯ブラシも、ちょっと奮発しちゃったって嬉しそうに買ってたブランド物の化粧水も、全部全部捨てたよ。



藍色が橙色に侵されていく壊されていく美しさを共有できたことをぼくはずっと忘れない



ねえなんであの時あんなこと言ったんですか。ねえなんであの時あんな顔したんですか。あの時ぼくに向けていた笑顔はぜんぶにせものだったってことですか、ねえ、ねえ、ねえ、ねえ、ねえ、さやちゃん行かないでよ。


きみのやわらかい髪を撫でるための右腕だった
もう、用無し


ぐさり


雨が降っていますね、さやちゃん。

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