BLUE す

夏って幻覚剤が見せていた光でしかなかったんだなあと気づいた時にはもう遅くて、そこまで来ていた青。
ものすごい速さで過ぎ去った体温に似た温度はぼくから信じる心を奪い去っていって、ちくしょう、ちくしょうと泣きながら水道水で顔を濡らしている。
なんであのときうちらあんなに会っていたんだろうね、もう全然会わなくなっちゃったのにあのときっていったいなんだったんだろうね。繋ぎ止めてくれていたのは、きっと。
はええよ自転、掴まれたら負けだとも?飽き飽きした日常を殴れば復讐が待っている気がしてわざと傷つけた優しいひとたちが死んでゆく夢を見て、なんて無駄な自傷行為だったんだと知る。
死ね死ね死ね死ねって書き殴りした紙を電柱に貼り付けてマーキングした殺意、ここから先は立ち入り禁止区域。
ぼくが夏を愛して何が悪い。過ぎ去ることを美しいと思える心を持てるくらい大人じゃないから血を流してばかりいる。

見ないで、誰にも言えないどろどろが言葉なんかに変わっちまう前にぼくはさっさと消えるから。
hellにoを書き足して元気なふりをした黒髪のピエロは少女でもなんでもなかった。
さみしかっただけなんです、ぜんぶぜんぶ。

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