コロナ陽性になるまで知らなかったこと②入院を決断するタイミング
前回の続きとなります。
39℃を超える熱が出てからおよそ1週間。旦那さまは咳としゃっくりが交互に出る日々、寝ていてもずっと苦しそうに息をしていました。
普段であればすぐに病院に連絡をし夜間でもタクシーで病院に駆け付けたかもしれません。
ですが、いま罹患しているのは「新型コロナウィルス」。
受け付けてくれる病院もないのが現状です。
長く続く看病と自信の闘病の中で「どのタイミングで入院を決断したのか」。そのタイミングときっかけを記しておきたいと思います。
【①突然の家族全員の発症】
まずは酸素濃度が判断基準だと
旦那さまがコロナウィルス陽性反応が出た後、保健所からの連絡の中で入院のタイミングについてこう聞いていました。
「オキシメーター(血中酸素濃度計)の値が95%を下回ったら入院を考えた方がいいですね。」
それからは枕元に体温計とオキシメーターを常においておき、目が覚めるたびに計っていました。
通常、99%~100%ほどの値を示すオキシメーターの値は、
旦那さまの場合しゃっくりや咳があったからか96%程度でした。
その段階で何度か保健所に電話を掛けたのですが、保健所の方の指導で深呼吸を大きくすると数値が少し戻ってくるのです。
その度に「ああ、大丈夫か」と安心し、また自宅で解熱剤と市販の薬、サプリメントや漢方薬などを合わせながら様子を見る。
そんなことをしているうちに5日が経ちました。
食べ物が食べられず、体力が落ちていく
なんとか、水分だけは摂らせていたものの
咳やしゃっくりがひどいからか固形物を食べると吐き気をもよおすようになり、次第に旦那さまは食べることができなくなっていきました。
それでも、解熱剤を飲むのでお腹に何かを入れないとと
ヨーグルトにはちみつやフルーツ缶を混ぜて口に運び、数口食べては解熱剤を飲む。その繰り返しでした。
この頃には、カロナール500mgを毎回1錠を頓服で1日3回まで、
市販の風邪薬、しゃっくりに効くという漢方薬、咳止めなどを服用。
コロナウィルス独特の、身体の中から湧き上がるような嫌な倦怠感からか薬を飲むとすぐに眠りに落ちる。そんな時間が過ぎていきました。
もし、これが普通の風邪やインフルエンザであれば
すぐに病院に連れて行って点滴をしてもらっていたでしょう。
そのくらいの危機感が私にもありました。
でもできない。どうしたいい、手遅れになったりしないか。
そうした緊張感と戸惑いとの中で自分の判断に全てが委ねられている。
これがコロナウィルスとの闘いの中で一番つらかったことでした。
思い切って入院を打診してみることに
次の日の朝、毎朝の日課である保健所からの連絡が来た際に
入院はできないのか。入院する場合にはどうしたらよいのかを相談してみることにしました。
保健所の方からは、もし入院するのであれば手配をすぐにし
入院先を確保しますがという言葉の後にこう告げられました。
「コロナウィルスは疫病ですから、入院した場合には次のことができなくなりますがいいですか?」
1つ目は、コロナ病棟ではWi-Fiなどが飛んでおらず携帯は一切繋がらなくなること。2つ目は家族の誰であっても面会などはできないこと。そして3つ目、どんなに体調が良くなったとしてもコロナウィルスが消えて医師のOKがでるまでは退院はできないこと。
この3つを挙げられました。
正直、これを聞いた私は怖くなりました。
入院したら最後、連絡も一切とれずに
旦那さまが苦しい思いをしていてもその思いに寄り添うこともできずに
ただ家にかえってくる日を待つだけ。
そして当たり前のことながら、入院しても特効薬があるわけではないのです。
元気に退院してきてくれるなら、それでもいい。
けれどもしそうでなかったら…脳裏にはそんな考えがよぎりました。
私は後悔しないだろうか?
それならばずっと一緒にそばにいながら看病した方がいいのではないだろうか?
果てしなくとめどない想い。
この想いに結論を出すことはできず、旦那さまに相談をした上でその日の入院は取りやめることにしました。
次第に起き上がれなくなる旦那さま
けれども、自宅でいくら愛情をもって療養したところで悪疫は退散してくれるわけではありません。
眠っていても痰が絡んだ大きな咳で目を覚まし、その度に身体をクッションの上に寄りかからせて息がしやすいようにしました。
最初のうちは自分で上体を起こしていましたがやがてそれも出来なくなってきました。
オキシメーターの数値は94%~95%。
判断の難しい数値が続きました。
いろいろな漢方薬を試しては、Amazonで次を頼み
試しては治らず。
限界だ、と思いました。
8月2日、入院を決める
発熱を確認してから10日、
コロナウィルス陽性の判定が出てからちょうど1週間目の朝。
保健所の方へ連絡を取り、入院の手続きをお願いしました。
その時は旦那さま自らが電話をしました。
ほぼ話せないほどの苦しさでありましたが、それでも、申し出ればすぐに入院という訳にはいきません。
この日都内では2000人を超える新規感染者が出ており、
東京都内の病床は多くの重傷者の方で埋まっているのです。
保健所の方の丁寧な体調のヒアリングが続き、オキシメーターの数値が低い状態が続いていること。息ができないほどに苦しいこと。熱が下がらないこと。これらを鑑みて、すぐに入院先の確保へと動いて頂けました。
8月2日 午後3時入院へ
それから3時間ほど経った、お昼近く、
保健所の方から入院の連絡がありました。
数時間後の15時に自宅からほど近い病院への入院が決まりましたという連絡。
その病院へは、手配をした民間の救急車(バンのような車)が自宅まで迎えに来るので、それに乗って行ってください。
そして入院する際に持っていく荷物を知らされました。
入院に必要なものは、普通の入院の時と変わりません。
下着などの着替え、タオル、パジャマ(これらは病院でのレンタルもあります)、ティッシュ、歯ブラシなど一式。スリッパ。こんな感じでしょうか。
この時に困ったのが着替えがないことでした。
コロナ闘病中は下着やリネンなどの洗濯物が大量にでます。
そしてそれらは家族のものと一緒に洗えなく消毒が必要となるので、正直乾燥が間に合っていませんでした。
また買い物にも出られませんから着替えがほぼなく私もコロナに罹患しているために後から荷物を送ることもできません。
旦那さまの妹さんにお願いし、下着を送ってもらう事ができましたが一人暮らしの人はこれは気を付けてもらいたい点の1つです。
ライフハック③
コロナに罹患したらすぐにしておきたいこと「入院の準備」
これにはたくさんの着替え、バスタオルなどが必要になります。
また、全編でもお話した通りスプーンなどは使い捨てのものがあるとより便利だと思います。
病棟ではマスクが必須ですので、マスクはあらかじめ1箱ほど余分な在庫を置いておくことをお勧めします。病院とは言え他の患者さんと一緒の部屋になるのでアルコールスプレーも入れておくと安心でしょう。
入院、その後
そして今日、8月6日。入院から5日が経ちました。
旦那さまからは毎日朝昼晩にラインで連絡が来ます。
病院によってなのか、症状によってなのかはわかりませんが携帯が使える病院に入院ができたようです。
入院から2日目には食事も間食したよ、という元気なお知らせが届き
入院4日目の昨日には点滴も取れたとのこと。
いまはお腹がすいて売店におやつを注文しているよ、と。
思うこと。
いまや誰しもの身近にいる「コロナウィルス」についての情報が、こんなにも私たちの手の届かない場所にあること。
そして、その情報はいつでもアップデートされていてこの情報もまた、
明日には確かではなくなるかもしれないこと。
不安の正体は、対策の仕方がわからないから。
対策の仕方がわかっていればこんなにも恐れる必要はなかったのではないかと、今になって思うのです。
後悔のないよう、そして大切な人が一刻も早く体調がよくなり笑ってくれること。それだけを思いながら。
ここまでしたためさせて頂きました。
※この情報は2021年8月6日現在のものです
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