【英語】ユニバーサルデザインを「デザイン」する授業③【STEAM教育】
こんにちは、渡部です。
記事に興味をもっていただき、ありがとうございます。
前回までのおさらい
前々回の記事
前々回はユニバーサルデザインを「デザイン」する授業について記事を書きました。
また、ユニバーサルデザインの概要を紹介する内容を1時間目で行うことをお伝えしました。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
前回の記事
前回はユニバーサルデザインを「デザイン」する授業を紹介しました。
ユニバーサルデザインの商品を自分で考え、それを「疑問詞+to do」の言語活動で伝え合います。
目的場面状況を大切にした授業の実際を書かせていただきました。
記事はこちら↓
今回のテーマ
今回は8・9時間目の授業内容を紹介します。
この単元の出口の活動です。
授業を通じて学んだことを活用して、生徒がアウトプットします。
アウトプットを通じて、生徒のスピーキング力や創造力、共同して活動するスキルを身に付けることが目的です。
8時間目
「オリジナルのユニバーサルデザインを紹介する動画を作成することができる。」
足場かけのある活動
この授業では、ユニバーサルデザインの商品を紹介する活動がメインです。
生徒はユニバーサルデザインの商品を2時間目の授業から作成しています。
商品は生徒オリジナル。
2時間目の授業以外でも、この単元の重要表現である、be sure that〜の表現を使って、商品を紹介する表現を考えています。
それらの表現を使って、動画を作成するので、0から英文を考える必要はなく、負荷を減らしています。
動画作成は協働の中で
動画作成はグループで協力して行います。
まずグループ内でそれぞれの生徒がデザインしたユニバーサルデザイン商品を紹介します。
グループ内で1つのデザインを選び、その商品を紹介する流れをとりました。
動画作成には役割分担が重要です。
動画を撮影する生徒、ホワイトボードにメモを書く生徒、カメラの前で話す生徒、動画を編集する生徒など、それぞれの役割を決めさせます。
生徒たちにはそれぞれに強みがあります。
また、興味のある分野も異なります。
それぞれに1つの役割を作ることで、責任が生まれます。
その責任のある役割を果たすことにより「自分が必要とされている」という自己有用感を高める活動にもなるのです。
また、話す原稿はグループで考えさせます。
お互いに自分の知っている英語表現を駆使して話す内容を決めていきます。
話すこと(発表)の能力をここで鍛えていきます。
自分たちが必要に駆られて考えた英語表現です。
生徒の記憶に残るものも多いのではないでしょうか?
活動中の様子
A「俺、動画撮るわ!」
B「私は動画編集したい!」
C「ホワイトボードにまとめるね!」
D「しゃべる原稿考えるよ!」
こんな声がそれぞれのグループから聞こえてきます。
9時間目
Unit Activity
「グループのメンバーでユニバーサルデザインを紹介する動画を視聴し、お互いに議論することができる」
Z世代の底力
いよいよ、今単元ラストの9時間目の授業です。
この授業では、前時に各グループで作成した動画を視聴します。
ここでビックリ!
なんと、動画に字幕をつけている班があったのです。
字幕を入れるように指示はしていません。
私 「どうして字幕を入れたの?」
生徒「字幕があった方が見やすくなるので!」
1990年代後半から2012年頃までに生まれた世代をZ世代と呼びます。
Z世代はYouTubeやTikTokを活用する世代です。
この世代だからこそ、アドバイスなしでも字幕を入れる発想に至るのでしょう。
動画はサムネイル付き
サムネイルをご存知でしょうか?
サムネイルとは、InstagramなどのSNS、YouTubeなどの動画サイトに利用される、小さいサイズの画像を言います。
生徒はこのサムネイルも作成します。
サムネイルが視聴回数や評価に大きく関わることを知っている生徒たち。
作成にも当然気合が入っていました。
そのサムネイル入りの評価シートを作成しました。
生徒はそのサムネイル入りのワークシートに評価しながら動画を視聴し、評価をつけていきました。
お互いに評価させることにより、自分自身のアウトプットを振り返る機会をつくることができます。
動画を見ることは、「もっとこうしたい!」という創造力を高めることにもつながると思います。
生徒の振り返り
生徒が本単元の授業を通じて、文法を活用したアウトプットに繋げることができました。
また、英語以外の要素も頑張ろうと意欲をもてたようです。
まとめ
ここまでユニバーサルデザインを「デザイン」する授業の実際を紹介してきました。
ユニバーサルデザインは教科書教材ではあります。
そのままでも素晴らしい教材ですが、それを先生のオリジナリティを加えることにより、生徒にとっても先生にとっても楽しい教材になるはず。
教師の醍醐味ってそこにある気がします。
「教科書を教えるのではなく、教科書で教えること」
これを大切にしていきたいですね!
最後まで読んでいただきありがとうございます。