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小学生の頃にあこがれたざくろのなる家
大人になったら庭に柘榴の木を育ててあの宝石みたいな実をひとりじめして食べたいと妄想してた
ピグモン自称してたおばちゃんパーマの担任の先生が学校に丸ごと持ってきてくれてみんなで一粒ずつもらってハンカチにそっと受けて
いったいこんな果物があるものなのかとひそかな衝撃 クラスの子たちもみんなお初ではしゃいでいた
無骨な外皮からほころぶようにのぞいた実が光に透けるみたいで 粒を口に入れてそうっと噛むと甘酸っぱくて
学校で何かもらって食べる事に舞い上がった効果も大きかったとは思うけど、とにかく天空のものを地の我らが口にした!くらいの高揚だった
後日、めったに行かない遠くのスーパーで柘榴を見つけ割高なのをしぶる母親にねだって何とか買ってもらい帰宅後 楽しみすぎて母にかぶりつきで割ってもらった中身は少しかびて腐りかけていてほらね、と言わんばかりの目線にぱんぱんに膨らんだ気持ちが絞り尽くされた
落ち込みが消えた頃には、いつか柘榴の木の家に住むんだ とまた軽く舞い上がったわたし
時は経ち、柘榴の植わった家には住んでいない
いやもうすっかり大人だし、日当たり悪いけど庭は一応あるしあこがれ果たしていいはずなのに
生垣に植えられた育ちすぎのゴールドクレストの枝を毎年わしわし払う父のハシゴの下で姉と葉っぱ集めて回る子どもの自分から何も変わってない気がするのはなぜなのかしら
柘榴は少し遠いまま よその軒先で実がふくらんでいるのを見かけて思い出しめぐらし綴ってみた
ナターシャ太宰府の写真なかなかの衝撃度 おすそ分けありがとう カルエ
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