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秋深まるように

下りのエスカレーターの段差は
耳に声を寄せるのにちょうど良い
マフラーの巻かれたロマンスグレーに
寄り添いながら指をさすと
遅まきに紅葉した六本木の赤色の葉に
ふたりで目線を送った
降りきると身長差が生まれ
いつも通りになる
見上げて話す高さは当たり前になっている
手が触れるか触れないかの距離感で歩いてゆく
深まる秋のようだ



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りよう
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