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もしかしたら、あなたもお世話になるかも知れない、主な高齢者施設を予習しておきましょう。

(出所)厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会」(2023年8月)の資料に基づき筆者作成
(出所)日本FP協会「今からはじめるリタイアメントプランニング」

いつまでも元気で健康であれば、こんな幸せなことはありません。しかし、残念ながら、人間は生きている限り、いつかは老後を迎え、健康や体力の衰えを感じる時が来ます。そんな時のために、もしかしたら、お世話になるかも知れない、高齢者施設を予習しておきましょう。

高齢者になって、体が思うように動かなくなったら、介護保険サービスを受けることを考えます。市区町村に申請すると、職員があなたの状態にについて「要支援1~2」「要介護1~5」のいずれかに認定します。「要支援1」の人が最も軽く、「要介護5」が最も介護サービスを必要とする人です。

認定には、日常生活動作をどの程度自分でできるか、家事や掃除などのことができているか、立ち上がりや歩行は安定しているか、認知機能に問題はないか、などの基準があり、これらを総合的に評価します。

「要支援1」は、基本的に一人で生活できるが、家事などの支援が必要。「要介護1」は、日常生活の一部に介助が必要。「要介護3」は、日常生活のほとんどに介助が必要。「要介護5」は、全面的かつ継続的な医療・看護が必要、といった区分になっています。

上の表に挙げたのは、「要支援」「要介護」に認定された人が利用する高齢者施設の代表的なものです。上から下に進むにつれて、要支援度・要介護度が高い人が利用する施設です。

一番軽いのが、「サービス付高齢者向け住宅」(サ高住)と、「住宅型有料老人ホーム」です。プライバシー重視の人向けです。介護サービスは外部のサービスを利用することになります。この2つは、この5年間では、施設数でも、利用者数でも大きく伸びています。

次が「介護付き有料老人ホーム」です。介護保険法に基づく「特定施設入居者生活保護」の指定を受けた施設です。要介護状態にある人が、介護保険施設に入居するためには、介護保険の給付金では賄えない食費や居住費などの費用がかかります。生活保護を受けている人は、この入居費用や生活費の一部を生活保護費から支給されることになります。要介護状態にある人が、安心して介護サービスを受けられるように、国が支援する制度です。この制度を利用するためには、一定の条件を満たす必要があり、市区町村の福祉事務所に相談します。

その次は、「介護老人保健施設」で、略して「老健」と言います。日常生活の一部に介助が必要な「要介護1」以上の人が対象です。あくまで在宅復帰を目指したリハビリ施設的な位置付けです。

最も介護サービスを必要とする人は、「特別養護老人ホーム」に入所します。略して「特養」。日常生活のほとんどに介助が必要な「要介護3」以上の人が対象です。2021年時点で、全国に1万以上の施設があり、利用者は63万人です。日本の人口が1.2億人とすると、200人に1人が入所していることになります。

高齢者施設には、上記のとおり、様々なタイプがありますが、健康面の要支援度・要介護度に加え、介護保険による給付金(介護給付、予防給付)を含めた費用面、プライバシー重視度、医療体制、介護サービス、その時々の入所の逼迫度等を勘案して、どの施設を選択するか判断する必要があります。

高齢者向けに、こうした介護サービスや高齢者施設が用意されていますが、できれば自宅で、いつまでも元気で健康に、ご家族やなじみのお友達とおしゃべりしながら過ごすのが一番です。老後も新しいことに挑戦しながら、楽しく過ごしましょう。




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