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お腹いっぱい練習しない(全文無料)

 今日も今日とて柔術は楽しい。今日は練習の強度と考え方の話。メンタルと体力を考えてトータルで成果を増やす考え方


以前の記事「 練習の質を上げる方法。スパーを記憶せよ。スパーは情報収集(全文無料)|柔術哲学(アンディ) (note.com) 」で書いたように練習の質を上げるために「スパーを記憶する」ことが大事と書きました。その続きの内容になります。

1.お腹いっぱい練習しない

 全力で追い込むスパーも大事な練習です。でもそれだけだと壁にぶつかると思います

 質を上げるために「お腹いっぱい練習しない」というノウハウがあります。「もう少しやりたい」くらいの強度で練習するというのがいいというものです。これは剣道の宮崎正裕選手( 全日本剣道選手権大会優勝6回、準優勝2回)が言っていました。

2.トータルで練習量を確保する

2-1 体力(疲労)の管理

 毎回限界まで追い込む練習が間違っているとはいいませんが、体とメンタルが異常に強い人のみができる練習です(もしくは”ジュース”使用者)。体には限界があるので練習できる本数にも限りがあります。疲労を管理することが大事です。怪我せず辞めず、継続してコンスタントに練習してトータルの練習量を確保しましょう。

2-2 メンタル(モチベーション)の管理

 「お腹いっぱい練習しない」は強度を落としてケガを予防すると同時に、その「もう少しやりたい」という気持ちを残して明日以降の練習のモチベーションにします。

3.満腹だと味が分からない、毎回追い込むとスパーを記憶できない

 前回の記事でも書いたように、スパーは記憶することが大事です。頭が回らないくらい追い込む練習では記憶することが難しくなります。限界までやっている人は本数を抑えたり、強度を落としたりすることでスパーを思い出せるようにしてみましょう。

何も考えずただお腹いっぱい稽古する≒思考停止。考えることの放棄

 自分もなりがちなのですが、限界まで追い込むきつい練習は安心します。「これだけやったから勝てる」と思えるので。でもそれは考えるというめんどくさい作業をサボる言い訳としてキツイ練習をしているだけだったりします

 例えば「毎回スパーの動画を撮って見直して振り返りをして次のスパーのテーマを決める」という作業をするよりも、思考停止してとりあえずスパーをたくさんやる方がある意味ラクです。「今日もスパーを〇〇本やったぞ」と満足感もあります。

 でも、ある程度のレベルになったらその「追い込まないと不安になる感情」に負けずに質を意識したいです。不安に負けてがむしゃらな思考停止スパーにならないように。

4.初心者は質より量。若い選手は量。

 これだけ質を意識しろと言っておいてなんですが、初心者は量です。

 一般論として、初心者はやればやるほどに伸びます。質とか気にせずとりあえず毎日道場に来てる人が伸びます。あと若い人は回復力も体力も体の強さも柔らかさもあるので毎日お腹いっぱいやってもいいと思います。というか若い選手だったら量をこなさないと同年代の人に勝てません。

 プロを目指す若いMMA選手やアダルトでトップを目指す柔術家はガンガンやらないと厳しいでしょう。

5.まとめ

「質×量=成果」

 量も質も大事です。トップ選手は最大限の量と最大限の質を求めないといけないので大変です。

 トップ選手は「質が大事」とかいってて実はめちゃくちゃ練習してますからね。。。剣道で何度も日本一になった宮崎先生は「練習の虫」と言われていたし、トップ柔術家の岩崎先生は外国での修業時代は一日20本とかやってたらしいので。自分の体力の限界までやってみた人が質を上げるための「お腹いっぱい練習しない」なのかもしれません。

 でもアマチュアレベルの人が「質が大事だから~」と練習サボってたら絶対強くならないです。

 でも、剣道で何度も日本一になった宮崎先生がこの「お腹いっぱい練習しない」という考え方を持っていたり、トップ柔術家の岩崎先生が「スパーは1日5本で十分、それ以上は記憶できないから」と言っていたりするように質も大事なんだと思います。追い込む量の練習が絶対正しいわけではないのでしょう。

 「たくさんやっているのにどうにも成長を感じられないなあ」と感じている方は質を意識して、「お腹いっぱい練習しない」をやると練習の質を上げるきっかけになるかもしれません。

 今日の練習はスパーで休憩入れて復習のイメトレをしてみたり、強度を落として新しい技のトライや技術の攻防を意識してみたりしてみませんか?

2024/5/10 アンディ

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