見出し画像

お客様とは会話をしている?対話をしている?

初めてお客様と接する時。

会話を意識しているだろうか?
対話を意識しているだろうか?


「会話」と「対話」の違いって、言われてみればちょっとモヤッとしてますよね。
同じようで全く違うことを最近知りました。


違いを簡潔にまとめると、

「会話」とは、、、
それぞれの事情、来歴、経歴を前提に言葉を交わし、
お互いの共通点を見つけ、
安心感を目的としたコミュニケーション

「対話」とは、、、
経験、解釈、価値観をもとに、
互いの「違い」を顕在化させ、
新しい「意味」「理解」「知識」を
一緒に作り出す双方向的コミュニケーション


お客様と接するときにも、
同郷だったり、同じ趣味を持っている方だったりして会話が弾んだ!
なんて経験は誰しもあるのではないでしょうか。

しかし一方で、会話が弾んだにもかかわらず、大して印象に残らない場合もあります。
もしかして、それは「会話」だけで終わってしまったからではないでしょうか?


対話ができると印象に残る?

先日、滋賀県からお越しのお客様。
こんな話になりました。

ゲスト「宍道湖ってしじみで有名なんですね!実は私たちの家の近くの琵琶湖でもしじみとれるんですよ」
※宍道湖は島根県松江市の汽水湖、しじみの漁獲量日本一として有名。

私「え!初めて知りました。琵琶湖でもしじみがとれるんですね!」

ゲスト「ただ、こちらみたいに道の駅で売ってるようなことはないですよ。とれる量が少ないのかな」

私「そうなんですね。こちらでは、スーパーでも気軽に手に入るので、頻繁にしじみのお味噌汁を食べるんですよ」

ゲスト「実際、家でしじみを食べることはほとんどないなぁ。久々にしじみのお味噌汁をいただいたよ」

ここでは、お互いの住む地域でしじみがとれるという「共通点」を見つけました。
そして、会話を進めることで、しじみが食卓に並ぶか否か、という「違い」を見つけることができました。

滋賀県でもしじみはとれるが、島根県のように実際に食べる回数は少ない。
そんな「違い」がとても印象に残りました。

旅館では様々なお客さまと接します。
先ほど例を挙げたように、同郷だったり、趣味が一緒だったり、
「共通点」がある方と接する機会も多いです。
一方で、同じ方でも、
都会にお住まいの方、年配の方、若い方、お子様連れの方、、、
私とは何かしらの点で「違い」もあります。

共通点が見つかると、なんだか安心します。
そして、それをうまくお客様と共有できたときに、お互いの間で何か絆が生まれたような感覚に包まれます。

ただ、そこで、あえて一歩踏み込んでみる。
すると、似ているようで微妙な違いがあることに気づく。
そして、さらにお互いの理解が深まり、より深いコミュニケーションに変化していくのです。


お客様にご満足いただく会話をするにはどちらを意識したらいいのか?

さて、接客をする上で、お客様との会話の中では会話と対話どちらを意識したらいいのでしょうか?

もちろん、絶対の正解がない前提で、
私はこう答えます。

『会話で距離を縮めてから、
対話でさらに一歩踏み込んだコミュニケーションを心がけよう。』

初対面の方と、いきなり対話をするのってなかなか難しいことだと思います。
そうですよね。
お互いまだ知り合って間もないのに、
あなたと私は違いますね!
と話されても、いい気分はしませんよね。

まずは、どんなに小さなものでも構わないので、共通点を見いだし、お互いの間に安心感という橋をかけてみましょう
本当に些細なことで構いません。
例えば、私の場合、お客様は旅行している人です。
「旅行好き」という共通点で会話をしています。

どんな目的の旅行なのか?
旅行先はどうやって選んでいるのか?
と、好奇心でズバズバ質問しちゃっています。



さて、橋がかかり、お互いの気持ちの行き来がしやすくなったら、対話にうつりましょう。
そう、今度はあえてお互いの違いに着目してみるのです。

例えるならば、
橋を渡ってみた先の街は、
違う花々が咲いていたり、
違うものを食べていたり、
違う言葉をしゃべっていたりする。

あなたたちはこんな生活をしているんですね!
好奇心や関心を持って接してみる。
こちらの文化を押し付けるのではなく、
互いの文化や価値観の違いを尊重し、理解するよう努めてみる。

つまり、異文化理解を深めること、それ自体が対話といえるのでしょうね。



では、最後にもう一度投げかけてみます。

初めてお客様と接する時。

会話を意識しているだろうか?
対話を意識しているだろうか?



本日はお客様とのコミュニケーション・会話や対話について考えてみました。

おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。



▼芸術の専門家「アトリエリスタ」との対話を通して自分の表現を深めるプロジェクト

▼地元の生産者との対話を重ね、八ヶ岳の野菜本来の良さを最大限に引き出すことを追及。2024年リニューアルしたOTTO SETTE 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?