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新入社員のキャリア相談でコーチングしてみた|一年目からなぜキャリアを描くのか?
今後どういう仕事をしていきたいか?
今後どう成長していきたいか?
自らの未来=キャリアパスを描くこと。
星野リゾートでは自発的にキャリアを築くことを大切にする風土があります。
先日、一緒に働く新入社員から今後のキャリアについて相談を受けました。
その中でメッセージとして新入社員へ伝えたこと、
「なぜキャリアを描くのか?」
について私なりの考えを綴ります。
マーケティングをやりたいA君の相談内容
相談された内容は、
「将来やりたいことがあるが、そのために今ここにいていいものか?」
といった内容でした。
なんとなく、理解できます。
今の仕事が自分のやりたいことにつながっていくのか、
もっと近道だったりいい道があるのではないか、
といった悩みは誰しも通るのかもしれませんね。
個人情報になってしまうので、相談内容の詳細は伏せますが、別の例でイメージしやすくします。
そこで、マーケティングをやりたいが、今は現場の温泉旅館で働くA君の相談に乗ることにしましょう。
A「将来はマーケティングをやりたいんです。とりあえず現場を知らなきゃ、ということで配属されました。ただ、この旅館で働いていて意味があるのか悩んじゃうんですよね。なんとなくモチベーションがあがらないというか…」
あんでぃ(以下あ)「マーケティング部署で働きたいんだね。現場で働いていることが未来につながっている実感が湧かないってことかな?そもそもどうしてマーケティングしたいの?」
A「大学の時にマーケティングの勉強をしたんです。人の購買行動に興味があって…星野リゾートはマーケティングに力を入れている会社だってイメージがあって入社したいな、って思ったんです。」
あ「マーケティングを学んでいたんだ!購買行動に興味があるって、もうちょっと具体的に聞かせて!」
A「そうですね。例えば、『ジャムの法則』って実験がありまして。ジャムの試食で、24種類のジャムが置かれたコーナーと6種類のジャムが置かれたコーナーで比較した場合に、6種類のコーナーの方がジャムが売れたんですね。つまり、選択肢が多いと人は悩んで選ばなくなるんです。」
あ「それ、とっても興味深いね!」
A「ですよね。だから私も卒論でこの実験をやってみたんです。日本人らしくご飯に合うふりかけで(笑)予算も少なかったんで、15種類のふりかけと、4種類のふりかけで試しました。やっぱり4種類試食した方が欲しいって方が多かったんですよ。」
あ「ジャムの法則通りだったと。その時、どう感じた??」
A「やっぱり!と思うと同時になんだかとっても嬉しかったです。もともとは自分の説ではないですけど、それでも仮説を証明できたってことにちょっぴり震えました。こんなことを仕事でできたら面白いだろうな、って。」
あ「それで、マーケティングをやりたい、と。マーケティング部署で具体的にどんなことをしているイメージだろう?」
A「こういった、いろいろな理論を実践していきたいですね。よりお客様が旅を選択しやすくなるようにいろんな仮説を試してみて、その結果をダイレクトに実感してみたいです。」
あ「なるほど!そういうことだったんだね。そういった理論がバッチリハマったら興奮しちゃいそうだね。
どう?そうしている自分をイメージしてみるとワクワクしちゃう?」
A「ワクワクしちゃいますね。そのためなら勉強することも全く苦じゃないです。」
あ「そうだよね。ワクワクしちゃうこととか、自分が時間を忘れて没頭できることが仕事になっていたら、いいよね。
じゃあさ、5年後にA君が理想の状態の仕事をしてワクワクしながら輝いていると仮定してみよう。
未来のA君が今のA君の経験をどんな経験だった、と振り返ると思う?」
A「5年後ですか。やりたいことができていて、今を振り返る…」
(しばし考える)
A「あの時に、現場で得た経験があったから、理論により過ぎずに現場の感覚を持った仮説が立てられると思います!」
あ「現場感があるアイデアか、いいね!他には何かある?」
A「うーん、あとは、現場での人間関係ができているので、仕事がスムーズに進みそうです。」
あ「確かに!知らない人よりやっぱり同じ釜の飯を食べた仲間は仕事しやすそうだよね。じゃあさ、そのあたり踏まえて、今できそうなことって何かあるかな?」
A「はい、マーケティングのことを引き続き学ぶこともそうですが、日々の仕事の中でもその理論を活かせそうなことがあれば、実践していきたいですね。
今、ふと思ったんですけど、連泊される方のお部屋の清掃を簡易的にするのかどうかを伺う時とか、もっといい提案の仕方がありそうな気がします!」
あ「やってみよう!あと、うちの会社でできることといえば、社内ビジネススクールで学べそうな講座があるだろうし、いろんな人の支配人立候補プレゼンを視聴するのは勉強になると思うよ。マーケティングに関わる戦略を発表する人もいるからね。
そういった経験が5年後に活きるといいね!」
そう言葉をかけると、A君はキラキラと目を輝かせながら業務に戻って行きました。
今を生きるために将来を描く
新入社員の相談に乗りながら、私が聞きたかったのはこの二点です。
・将来何をしたいのか?具体的にどんなことにワクワクするのか?
・今何をしたらワクワクできるだろうか?
将来やりたいことがあるけど、現状にモヤモヤを抱えている時は、将来のイメージが抽象的すぎる場合があります。
例えるならば、
山登りしたいと思っているけど、どの山に登るか決まっていない状態。
エベレストに登るのか?
高尾山に登るのか?
どの山に登るのか、で装備品や体力面など準備するものが変わりますよね。
ただ、山に登りたいなぁ〜と思っているうちは、何も準備できない状態が続いてしまう。
だから、どの山に登るか?具体的に決めることは大切だと私は思います。
登り始めて、なんだか違うな、と思えば、また新しい山を決めて準備しなおせばいい。
その時にはある程度体力もついているから、もっといい目標ができるかもしれませんしね。
ということで、本日は新入社員のキャリア相談から、なぜキャリアを描くのか?について、綴ってみました。
今のお仕事に悩みを抱えている方へ参考になれば幸いです。
おもてなし産業をかっこよく
あんでぃでした。
【参考】星野リゾートのCAREER PATH SYSTEM
社内ビジネススクール、評価制度、オープンキャリア、立候補制度などのさまざまな人事システムなどなど。