「私を救ったMicrosoft、本部長の一言」
私は27歳のときにMicrosoftへ入社しました。それまで日本企業で働いていた私にとって、外資系企業は未知の世界。入社当初は「結果がすべて」「数字が達成できなければ即クビ」といった厳しい環境を想像し、不安を抱えながら、渋谷区笹塚のビルでオンボーディング研修をスタートしました。
入社当時、Windows XPが発売され、社内は成功への期待と熱気に包まれていました。しかしその裏で、営業担当者は朝晩数字を詰められる厳しい状況。日本企業での経験しかなかった私には、そのギャップに戸惑う毎日でした。若さゆえの体力と気力でなんとか耐えていましたが、心身には確実に負担がかかっていたと思います。
そんなとき、私を見た本部長がこう声をかけてくれたのです。
「数字は後から勝手についてくるから、お客様ファーストで、出来ることを着実に一緒に落ちついてやっていこう!」
その言葉は、当時の私にとって救いでした。心がふっと軽くなり、「一緒に」という言葉に胸が熱くなったのを今でも覚えています。焦る気持ちを抑え、目の前の仕事に集中することで、少しずつお客様との信頼を築くことができました。
そして、最終的には日本最大規模の契約を受注。その成果が認められ、ビル・ゲイツさんから直接表彰を受けました。
全社員総会で名前を呼ばれ、ゲイツさんと直接握手を交わしたとき、「私が日本に行くときは、あなたが大切にしているお客様を訪問したい!必ず連れてってね!」という温かいお言葉を頂きました。全世界の同僚からの温かな拍手に包まれながら、これまでの努力が報われたと感じました。この成功は一人で成し遂げたものではなく、本部長や同僚、お客様との信頼関係があったからこそ成し遂げられたものでした。
このように、外資系企業という厳しいイメージの裏で、社員を支え、信じてくれる文化がMicrosoftにはありました。私にとって、本部長との出会いがなければ、今の私は存在しなかったと心から思います。そして、人を大切にするその姿勢こそが、私がこの会社を「推したい」と感じる理由です。