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アイドルになんてならないでほしかった

私にはずっと、アイドルにならないでほしい人がいた。 いわゆる「推し」(推しなんて2文字で表してたまるもんか!と本当は思うけど)がいて、その人と出逢った時、彼は「アイドル」という肩書きは持っていなかった。 一言で言い表すのが難しいけれど、彼は俗に言う「配信者」で、歌ってみたを投稿したり、ライブでは素顔を露わにして歌ったり踊ったりもする。傍から見れば彼はもう立派なアイドルで、むしろ彼のきらきらと輝くステージ上の姿をアイドルと呼んであげることは特大の褒め言葉になりうるのかもしれ

    • わたしは大森靖子を聴けない。

      「大森靖子」の四文字は一つの世界だ。 私は大森靖子さんにすごく詳しいわけではないけれど、彼女は多くの人にとっての神様で、数えきれないほどの孤独や命を救ってきたのだと思う。 「大森靖子が好き」と口にするのは、単にその人の趣味嗜好を告白する以上のものを物語っている。 彼女は尖っている。細く、鋭く、歪に、尖っていて、やわらかくて、脆くて、絶望と憧れを手放せないでいるかわいらしい人たちに、深く深く刺さる。 私はいつもそれが少しうらやましかった。 大森靖子の世界が刺さって抜けな