何度目かのプロローグ
日常と非日常の間を行き来していた。予定無くぼんやりと過ごす日、バタバタと動く日。写真を撮る日。秋のイベントの日。
そろそろ遠くへ行きたい。1泊2日または2泊3日の旅行をしたい。今は次の楽しみ(非日常)へ向かっている。
写真を撮ることで、様々な時間を記録してきた。生活の中にある曖昧な感情を写そうとしたり、初めて会う人との時間を残したり、久しぶりに会う人と散歩写真を撮ったり。
1週間や1ヶ月の中で、好きなものに触れられる時間を増やしたい。もっと日常の中に人の作り出したものを流したい。
生活にじんわりと溶けていく。時間が経った後に思い出す。今この瞬間だからこそのライブ感を表現したい。
作りたいものをどのような形にして表に出そうか考えている。撮った写真も溜まってきた。
10年くらい前はこういうものを作りたいという考えはあっても、直ぐ形に出来る環境が無かった。
目標が100の地点にあるとしたら、0.1、0.2、0.3と時間を重ね、試みを重ねた先に今がある。
誰も知らない未来の為にたった一人で進むのは不安だったし、立ち止まった時も何度もあったけど、自分の進む道を信じるのみ。
ひとつの目標をクリアする毎に新しい地点へ行きたくなるから、欲求は尽きない。
ものづくりの環境を整えても、人は変わるものだし同じ時間は続かない。この先もきっと100%の心地良さは手に入らない。
それならファインダーを覗いてシャッターを切るほんの一瞬だけでも心地良い瞬間を味わっていたい。一瞬を連続させて幹に栄養を行き届かせ、芯のしっかりとした木と成りたい。
人の作った世界の中にいたい。世界という棚に自分の作ったものも並べたい。日常と非日常の間を自由に行き来したい。
朝起きて夜眠るまで。パソコンやスマホの画面を閉じても確かに感じられるもの。欲しいのはリアルな肌感覚。