『ファイナル・デスティネーション』を見た
ネタバレがあります。
映画を見ていると【誰からも見えないところの部品が壊れそう】や【誰も気づいていないところで油が漏れている】など「あ、何かが起こるな」と匂わせるようなシーンがあるかと思います。私はこれを伏線と呼んでいます。合ってますかね。
そんな伏線を見せられてから、危険の中で生活している登場人物を見ると「どう考えてもヤバいだろ!早く逃げろー!」と叫びたくなりますが、作中の人物では知りえない情報なので、彼らが危険を察知することはできません。もしも「なんか俺の知らない部品が壊れる気がするぜ!」と逃げ出すやつがいたとしたら、そいつの方がヤバい奴だと思います。
そんなヤバい奴が『ファイナル・デスティネーション』の主人公、アレックスです。彼は我々にしか見えていない【誰からも見えないところの部品が壊れそう】や【誰も気づいていないところで油が漏れている】を「なんかヤバいぜ!」と回避していきます。すごい。
この映画は、そんな【伏線に全部気づいて回避してくる奴】と【筋書どおりに殺そうとする脚本家】の戦いなんじゃないかと思いました。
もしあなたが脚本家だったとして、飛行機が爆発し乗組員が全滅する映画を作ろうと思った時、わけもなく飛行機を爆発させるでしょうか。多少なりとも伏線を貼ると思います。そんな伏線を察知して「ヤバいぜ!」とアレックスは回避してきます。
「回避されたけど、まぁいいわ飛行機を降りてから当初の予定していた死ぬ順番通り殺していこう」と思ったあなたの上を、アレックスは行きます。アレックスは何故か死の順番にも気づき、自分の死を回避するだけでなく周りの人間も助けてきます。ヤバいので。
結果、アレックス達が勝利しますが、脚本側も負けじと6ヶ月後のパリに舞台を変えアレックスに挑みます。まぁ避けられるんですけどね。
アクシデントで人が死んでいくっていう映画なのに、不思議な対決模様を見ている気がして、非常に面白かったです。