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「自分は社会のお荷物だ」と感じているあなたへ

「就職活動に励んでいるが、書類選考の時点で落とされてしまう。自分は社会に必要ない、社会のお荷物だ、いらない存在だと感じるのがつらい」

 そういう言葉をSNSでこの前見かけた。その言葉を言った人は本当に辛そうで、私は以前の自分を見ているようで辛くなってしまった。
 なので、この文はその人へ向けて書いている。届いてくれればうれしいなと思っているが、届かなくても大丈夫だ。
 まず最初に私にはその人へ言う言葉がある。

「貴方は社会のお荷物ではない。ましてやいらない存在でもない」

 この社会はプラスの感情が循環している。誰かの持つプラスの感情が、別の誰かを支え、その誰かが抱いたプラスの感情が、また別の人を支えているのだ。自分が気づいていないだけで、貴方もきっと、誰かの存在を支えているはずだ。だから、本当に社会のお荷物だという人間は滅多に存在しない。
それでも自分がそうだというのならば、寝る前に考えてほしい。
 今日貴方は、誰かを傷つけただろうか?
その武器が見えるにせよ見えないにせよ、武器を振りかざして他人を攻撃したか?もちろん、気づかないうちに相手を傷つけてしまうこともある。でもそれはお互いさまで、人が社会で生きていく以上、避けては通れないのだ。アンテナを張り、脳内で反省会をして、注意していくしかない。
 でも、自分の意志で自分の我儘で人を傷つけていないというのならば、もうその時点で貴方は社会のお荷物ではない。働きたいという意思があるならばなおさらだ。
 そんな理想論を聞きたくないというのならば、私はもっと現実的な話をしようと思う。

「書類選考で落ちたのならば、その会社は貴方と合わなかっただけなのだ」

 世の中にはたくさんの会社があり、求人もたくさんある。もし書類選考で落ちたとしても、面接で落ちたとしても、それはその会社が貴方とマッチしていなかっただけなのだ。それを私は就労移行支援事業所で学んだ。
 もちろん、書類の書き方が上手くなかったということもあるかもしれない。そういう時はプロに頼ることをおすすめする。

「心がつらいなら、心の医者とカウンセラーを探そう」

 心療内科でも精神科でもいい、心がつらい、憂鬱で動けない、食事もとれない、眠れない。
 そういう時は心が疲労骨折を起こしているのだ。骨折したら整形外科医に頼るのと同じように、心が疲労骨折を起こしたら医者に頼った方がよい。少なくとも私はそうだった。いい医者を探すのは大変だが、その価値はあると思う。そして、もし発達障害であるなどの診断があれば、就労支援などの福祉を受けられるかもしれない。
 カウンセラーも、お金はかかるが、家族や友人などの人間関係に関係なく、フラットな視線で話を聞いてくれる存在と言うのはとてもとてもありがたいものだ。人と言うのは不思議なもので、話しているうちに解決策を思いついたりする。でも、怪しげなスピリチュアルカウンセラーには関わらないように気を付けてほしい。

「貴方の良さに、貴方自身が気づいていないかもしれない」

 これは誰だってそうだ。私自身、自分は全くの役立たずで、何もできない人間だと一年前までは思っていた。自分には怒る価値もない、そう考えていた。
 でも、今はそうは思わない。自分の良さと言うものがちゃんとわかるようになった。今は少しずつ、自分を好きになっているところだ。それは家族のおかげであり、友人のおかげであり、今いる環境のおかげでもある。
 もし貴方が自分の良さに気づいていないのであれば、もしかしたら貴方のいる環境がそうさせるのかもしれない。
 人は環境に左右される生き物だ。だから、自分には向いていないなと思ったら環境を変えてみるべきだと思う。自分はここにいるべきではないと思ったら、よく考えて情報を収集し、そして、周囲の人とも相談しながら新しい環境に飛び込むのだ。最終的に決めるのは少しばかり勇気がいるが、でも、今いる環境にい続けるよりはマシかもしれない。

「自分を許してあげてほしい」

 おそらく貴方は、真面目で親や周囲の期待に応えたいと常日頃から願ってきたのかもしれない。それで、何もできない自分を責め続けてきたのかもしれない。
 でも、もう自分を許してあげてほしい。もう少し人生のハードルを下げて、自分に出来ることを見つけて、自分自身にすごいじゃないかと言ってあげてほしい。親や周囲の期待には大抵キリがないのだ。そんな綿あめのようなものはしばらくどこかに片づけておいて、自分のことを気にかけてほしい。
 
 貴方に出来ることはたくさんある。貴方がそれがどんなに素晴らしいか自分ではわかっていないだけなのだ。周りの人の中に、もしかしたら気づいてくれている人がいるかもしれない。いなければ、気づいてくれる人が現れるかもしれない。
 貴方は決して社会のお荷物なんかではない。世界は広く、優しい場所も厳しい場所もたくさんある。貴方がたまたまいる場所は、貴方に厳しい環境なだけかもしれない。サボテンは砂漠では生きられるが、熱帯雨林では厳しいだろう。誰にだってその人に合う場所があるのだ。

貴方がつらい思いをする日々が無くなるように、同じようにつらい思いをした人間として、私は心の底から祈っている。



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