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絵本「かたあしだちょうのエルフ」


おのき がく 文・絵 ポプラ社


ダチョウがバオバブの木になる。

あらすじを書くとすると、この一行につきます。

いつも動物の子供達を自分の背中に乗せて遊ばせていたダチョウのエルフ。
ある日、ライオンに襲われたエルフは、子供達を守り抜いた代わりに、自分の足を一本失ってしまい、かたあしになってしまいます。

ほとんど歩けなくなってしまったエルフ。
初めの頃こそ、今までにお世話になったからと、動物たちが自分達のエサをエルフに分けていました。

でも、自分達だって生きて行くのは大変です。
そのうち、エルフはみんなから忘れ去られてしまうのです。

だんだん弱っていくエルフ。

ハイエナやはげわしが、エルフがいつエサになってくれるか待ちわびるようにさえなります。

食物連鎖の厳しい現実です。

でもエルフは、そんなことはおかまいなしに、淡々と毎日を生きていきます。

そしてある日、くろひょうがあらわれます。

かたあししかない、弱り切ったエルフは、それでも、

「みんな ぼくの せなかに のれっ」

エルフのことば

と言って、最後まで子供達を守ります。

助かったぁと胸をなで下ろした子どもたちがエルフの背中からおりてふりあおぐと、そこには一本のバオバブの木が立っていました。

バオバブの木になったエルフ

かたあしのエルフと同じかっこうで、空に向かって伸びていたのでした。
足元には、エルフの涙でできたかも知れない池がありました。

胸に迫るのは、エルフの思いの強さです。

強い思いは岩をも通すと言いますが、「守る」という遺志を具現化したのがバオバブの木だったのです。

死してなお、水と木陰で、動物たちの憩いの場になったエルフ。

これからバオバブの木を目にするたびに、エルフのことを思い出しそうです。

思いは形になるのですね。

それだけの強い思いを自分は持っているか、と考えさせられる絵本です。




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Andrea@ポジティブマインドクリエイター
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