「もうじきたべられるぼく」
このタイトルから、目を離せませんでした。
色鉛筆やクレヨン、ボールペンを画材として使う、はせがわゆうじさんの絵本です。
絵も色合いもとても優しいのに、そのメッセージは、胸の奥深くに刺さります。それは、強くはないのにずっと消えない痛みを伴います。
もともと文字が少ない絵本ですが、一番のクライマックスの数ページは、絵だけで描かれています。
じ〜んと心を震わせるそのシーンが、いつまでも目に焼き付きます。
でも、読者を簡単に泣かせてはくれません。
簡単な涙で、そのメッセージを流させたくないからかも知れません。
これが覚悟じゃなくて、何でしょう。
うしを食べる側の人間に対する一番のメッセージは、最後に登場します。それは、是非、絵とともにご自分で味わっていただきたいので、ここには書きません。
そう言ったぼくの覚悟。
私たち人間はどうでしょうか。
「わたしはにんげんだから もうじきしぬ」
運命を受け入れて生きているでしょうか。
覚悟をもって毎日を生きているでしょうか。
人生の締めくくりをどう過ごすか考えているでしょうか。
たくさんの問いが胸に去来しています。
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